今は根から掘ってしまって存在しない庭の梅の木。その木を切る数年前に、その幹の根元に一本だけ梅の木が実生した。何十年と生きて来た筈の梅の木に初めて子孫が授かったという感じか・・・・・。

 

 その実生の梅の木が50cmの背丈になってから(その次の年にまた一本実生した。その梅木はトマトさんに貰ってもらったが枯れずにまだ生きているだろうか・・・・)、畑に移植した。矢張り、庭より畑は日当たりが良いのと土地が肥えている為かぐんぐん背を伸ばして2mを超えた。実生して5年、その木は昨年数個の白い花を付けた。近所の庭に梅が花を開きかけたので我が家の畑にその梅は今どういう状態か見に行った。今年は昨年の三倍は蕾を付けていると思った。

 

 その花の一番たくさん付いている一枝を手折ってきた。アトリエで菊を差してからずっと空いていた花瓶に水を入れた。梅の枝を3個に切った。そして、それらをその花瓶に活けてやった。

 

 その花瓶の梅の白い花を眺めながらもう季節は春なのだと確信した。