ネットであなたにお勧めという記事の中にベトナムについて書かれたのがあった。そういえば、「愛・地球博」が催された時、それを観に行った人が、ベトナム館で穴のあいた茶碗を見たが作れるかと訊かれたことがある。その人は美術の先生だったので紙に絵を描いて貰った。

 

 当時、その絵を見ながら、いくつか試作した。兎に角、斜めに口辺を切るのが難しかった。最初、半乾燥してから鉛筆で切るべきところを毛描いてナイフで削ったが滑らかに削れなかった。何回か試している時、轆轤の上で高台を切って轆轤から外す前に、粘土の柔らかいままシッピキで切り込みを入れ、轆轤を回転しながらそのシッピキを上に引き上げて口辺を切ったらどうだろうとふと思った。早速試してみると案外と綺麗に切れた。唯、轆轤の回転速度とシッピキを引き上げる速度の組み合わせが問題だった。

 

 そんなことを思い出しながら、今回、茶碗の口辺を切ってみた。シッピキで切り込みを入れて引き上げる速度が速かったので、ちょと口辺の傾斜が急になってしまった。それで半乾燥した時、ナイフと鉋で滑らかに成るように削った。この後、箸を挿し込む穴をポンスで開けた。この茶碗、無事、本焼きまで行ったらまた紹介しようと思う。