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もう始まっていた。

バレンシアの闘牛場はノルド駅のすぐ横にあった。

入場口には、ダフ屋が群がっていたが、正規の窓口で

購入した。ソルの2階席24列目2700ペセタ。

この闘牛に出会えたことが、幸運だった。

あとで知ったのだが、この時のマタドールは精鋭揃いだった。



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※真実の瞬間


円形の闘牛場に満ちた熱気。

歓声と緊張。

白いハンカチを買わなければと思った。

この日のMIPは、エル・コルドベス!!

(もちろんマヌエル・ディアスの方)

ある人は、闘牛は残酷な行為と切り捨てる。

スペイン好きな人のなかでも、闘牛については

好みが分かれる。

それはそれでしかたない。

けれど、これは命がけの神技である。

そして、美しい。

生きることが美しい瞬間であると感じる。


ただし、それには極上の闘牛士のムレータと

一撃を、スペインで目の当たりにしなければ

不可能かもしれない。

闘牛を見てから死ね。

オーレ!!