シャルル・ド・ゴール空港へ到着した。
(現在でいう円形のターミナル1)
どうしていいかわらなかった。
空港から既に、独りだった。
当たり前のことだった。
ロシア人のおばさんや台湾人のおばさんの
助けを借りて、まずはバス乗り場まで。
それが精一杯だった。
「地球の歩き方」を持参しなかったことを後悔していた。
そんなとき、日本人女性に出会った。
まるで泣きっ面で、状況を簡単に説明した。
「オペラ座まで行けばなんとかなるでしょ?」
なんとかなるわけではなかったが、肯定した。
藁にもすがる思いだったが、藁を与えてくれた程度だった。
バスの中から眺める景色は、だんだんとパリそのもの
になっていく。イメージ通りのパリ。
オープンテラスのカフェが、幾つか遅くまで開店していた。
少しホッとできたが、暗闇の街は、ますます不安にさせた。
このままバスに乗っていたい。
バスを降り、目の前に漆黒のオペラ・ガルニエが居た。
そう生きているかのように居た。
結局、その日本人女性の宿までツイテいった。
その宿は満室だったが、近くにある同等のホテルを
紹介されて、泊まることができた。
もしこの女性が、クリヨンやリッツパリに宿泊だったら?
どうしたのだろうか。
まあ、そんなところに宿泊するなら、リムジンバスでなく、
タクシーで移動しただろうけれど。
藁がロープに変化した。
とにかく、眠ることができるのだ。
※1泊だけしたオテル・モンテ・カルロの外観と部屋

