まず、ABロードを買った。

そして、迷わずHISに電話をかけていた。

「マドリッドに行きたいんですが。。。」

北周りで最も安い航空券は、アエロフロートだった。

南周りでパキスタン航空という手もあったが、

それはあまりにも時間がかかるようだった。


数日後、電話が入った。

「パリ・インのマドリッド・アウトなら取れますけど。。」

出発の9日前くらいのことだったかな。

「それでお願いします」

どうしてなのかは、今でもよくわからないんだけど、

『地球の歩き方スペイン』は購入したものの、

フランスについては、何も準備しなかった。

ただ、その期間にツールド・フランスのゴールが

見られることだけを押さえていただけだった。


モスクワでの乗り継ぎは、薄気味が悪かった。

愛想のない空港職員たち。

ライフルを持ったセキュリティ。

いかにも共産圏といった雰囲気。

いうまでもなく、アエロフロートのCAさんも、

愛想がなかった。


夜にパリに着くというのに、

地球の歩き方もなければ、1泊目のホテルも予約

していなかった。

初めての一人旅にしては、随分と無謀だった。



※ABロード(リクルート社の旅行雑誌。94年には38万部。

2006年10月号で休刊)