もうすっかり忘れてしまったのだけれど、初めてタイに訪れたときの

記憶を手繰ってみようと思う。


バンコクまでは、シンガポール経由のビーマン・バングラデシュ航空で

訪れた。今だったら考えられないことだ。バンコクまで

乗り継ぎ便で行くなんて!!!

グレゴリーのディバックに、詰められるだけの荷物をつめて。

僕のバックパッカー黎明期だった。

荷物は少なければ少ないほどよいと、思いこんでいた時だった。

夜のドンムアン空港に到着すると、これから始まる旅の高揚感と

不安感でアドレナリンが体内でざわめいていた。

初めて手にした通貨タイ・バーツを片手に、ローカル・バスの停留所に

向かった。今思えば、テレビドラマ「深夜特急」で沢木役の大沢たかおさんが、

同じ場所で、地元の青年からバス運賃分タイ・バーツのコインを交換してもらう

場面があった。まさにあの場所だった。

カオサン方面へ行くバスの中に乗り込むと、ギュウギュウに混雑していた中に、

日本人男性がいた。

泳ぐように、その男性に車内で近づいてゆく。

男性(おじさん)は、タイの青年とお手製のタイ語帳を見ながら、会話を楽しんで

いた。

このおじさんを頼ろう!即座に僕は声をかけたのだった。