ナザレで新年を迎えていたら?
ふと、考えた。
ナザレの朝は、これまた良い。
海鳥と波の音。犬たちが戯れている。
市場では、主婦たちが買い物をしている。

ケーブルカーに乗り、シティオへ。
ナザレ教会は改装中だが、高台からのナザレの街
を一望すると、思ったよりも小さな街だ。
眼下の海岸線は雄大で、荒々しかった。
帰路は、黄色い花が咲いている小道を下ってゆく。
街中では、イワシを炭火で焼いていたり、女性は何層にも重ねた
伝統的なスカートをはいていたり、のどかな雰囲気が漂う。
夕方、展望台にも行ってみるが、誰もいなかった。
「かえせ!かえせ!」と壇一雄さんのように叫ぶこともなく、
夕日がいなくなるのを待つ。
ここで、大晦日を過ごしていたら、さぞや暗い艀だっただろう。