話が自国のこととなると、ルイスの勢いは増す。
「ポルトガルでは、15年前では主な大学が数えるほど
しかなかった。けれど、今は多くの大学が設立され、
スキルを持ったポルトガル人が卒業する。だが、残念なこと
にそれに見合った仕事がないのだ。産業がないのだ!」
さらに、「ポルトガルには可能性がある。EU内は関税優遇
があり、この国の労働力は安い。スキルもある。もっと、日本
や韓国が投資をしてくれさえすれば」
現実的なフェルナンドはこう言う、「ポテンシャルなら、
ルーマニアやハンガリーといった旧東側の国の方がある。
ポルトガル人は、いつも可能性はあるのだが、と嘆いているだけで、
何もできないではないか」僕は、少し悲観的な印象を受けた。
さらに、自国の問題点に言及し、「人口は海側の大都市に集中し、
山間部は、過疎化が激しい。EUの政策で、ポルトガルの一次産業は
壊滅しつつある」よく知らない話だったが、イメージとしては、
日本の減反政策時期のようなものかな、と勝手に理解した。
「我々は、過去ではなく、未来に向かって進んでゆかねばならない」
そうルイスは呟いた。