僕の泊まっている安宿の名前はアムステルダム。
でも、場所はカタニア(シチリア)
この宿の看板娘は、緑色の大きなイグアナ。
といっても、雌か雄かはわからないけど。
調度品や床のタイルデザインなどの凝った装飾から、
昔はここに、裕福な家庭があったのかもしれないと想像する。
オーナーはやはりオランダ人。それしか、こんな名前は付けないよなー。
オランダというと、やはりクーシェを思い出す。
オーナーは、もうオランダ語を話すこともあまりないんだろうな。
僕も、ここで住み着いてしまったら、日本語を使わなくんるのだろうな。
イグアナに話しかけるわけでもなく、呟く。
それにしても、イグアナの肌の質感の生々しさ。
これも、上海でメアリーと食べた蛇の調理前の蛇肌を思い浮かべる。

カタニアは寂れた港町。
駅の近くの朽ちかけたドームの近くに、端正なレンガ造りの倉庫街の
ような一帯を発見する。
なんと、そこは娼婦街。
しかも、アムスの飾り窓地区のようだ。
やけにアフリカ系の娼婦が多い。もちろんそれは外見上。
南イタリアでは、アフリカ系イタリア人も多い。
なるべく肌が黒いという括りで使う言葉は避けたいので、常に
アフリカ系という言葉を選んでいます。
下着同然の彼女たちだが、やけに陽気なのは、うらはらなのか。
エトナ山の美しさとは違う意味で、美しい空間だった。
娼婦の彼女たちのもつ、ピュアさを感じられずにはいられない。
買うことのできない僕は、卑怯で弱虫なのかもしれない。