リョウとの恋に終止符ううっ...を打とうと思い、しばらくいろんな男の子と遊ぶ日々が続いた。


とくにボンボン男子校の男の子グループとは、休みの度に会っていた。

10名ほどのグループで、内の何人かが個々に告白してきた。


正直、誰も好きになれず、適当にデートした。

手を繋がれるのも嫌。リョウの事ばかり考えてた。


半年ほど経ち、ようやくリョウの事も毎日考えなくなってきた頃・・・

急に、男の子なんてどうでもよくなった。



というか、現実に直面!

受験勉強ムンクの叫び。


普通に遅すぎですけど。何か?


でも、ちゃんと第一志望の、それはそれはくだらない、規則ずくめのお嬢学校に見事受かりましたわ~。





卒業間近な頃、なんとなく空虚な、乾いた空気に敏感になってしまい、あまり学校へ行かなくなった。
でも、まだ義務教育中。強制出動。泣



そんなある日、突然、全くノーマークな人から告白ハートされた。

以降、なんとなく、で、6年も付き合う事になる隆志である。




隆志は、とてもおもしろい人で、女の子にはすごく人気があった。


しかし、私的には・・・まだ小学校のときに、階段を下りようとしている女の子2人を両手に繋ぎ、女王様バラを扱うように先導していたのを偶然見かけた事があった。とても背が高く、体格もいいけど・・・まだ子供のくせに!鼻持ちならない奴!だと勝手に嫌いになってた。



その隆志が・・・?



私が1番仲良しの男友達でヨウ君という子がいた。

複雑な顔で、私の前に現れ、



「ちょっとええ?」


「うん」


「あんな・・・、隆志がちょっと呼んでんねんけど・・・」


「なんで?」


「う・・・ええから、ちょっと来て」


「嫌まっくろくろすけやけど」


「・・・」


「用事あんねんやったら、自分から来たらええ」


「・・・」



前日、私は隆志にひどく文句を言ったので、その仕返しだと思った。



廊下を歩いてる時、バッチリなタイミングで振り返った私のオデコに紙飛行機を直撃 ガーン させた。

それが、また絵に描いたようなクリーンヒット。


周りにいた皆は、一斉に笑った。

すかさず、思いつく限りの文句を言ってやった。


あ~スッキリにへ。




「あんな・・・」


突如隆志が現れ、話し出した。


「何年も前から好きやった・・・」


「は~~~?今なんって? アホ! なん? あんぐり」


「ちゃうで、まじやで。思っきり」


「みんなの前で、自分 アホ! やわ」


「本気やけど?・・・もうすぐ卒業、そしたら、別々の学校やし、会えれへん」


「・・・」


「付き合ってほしいねんけど」




内心ドキドキハートだった。


人前であんなにはっきり言われたのは初めて。

クラスメイト達は、何故か皆隆志の応援をしている雰囲気。


”断ったら、あたし、もしかして、極悪 ショック ?” みたいな。





数日後、階段の踊り場でいた私の所に、ヨウ君がまた派遣されてきた。



「隆志への返事は?」


「自分で来い (-_-メ 」


「来られへんから、俺が来た」


「ヘタレ」


「・・・呼んでくる」





「やっぱしアカンて。ヘタレ うっ・・・ でええって」


「ほな、付き合ったられへんわ。残念やけど」


「来たら、付き合うんか」


「・・・そやな」




正直、付き合いたいかどうかと聞かれると???まだ未定だった。

ノリで言ってしまった。


隆志が小躍り♪しながら階段を下りて来た。

体はデカいが、童顔で、八重歯が気に入らない。

でも、そうとう喜んでる顔は、少し心をくすぐった (o^-')b 。



「な、二股とかとちゃうよな?」



怒り!・・・普通、これからヨロシクだとか、ありがとうだとか、もーちっと気の利いた事言うだろ?





ありえんからっ!





私が熱くなった初めての相手との事をお話しする前に・・・




13歳の夏。


当時の私の家は、不思議なくらい、いろんな人が出入りしていた。

母は、とても面倒見の良い人で、困ってる人を放っておけない・・・

という困った性格だったため、(多分)母を頼って、いろんな人が来ていたんだと思う。


年頃で言えば、18~20歳半ばくらいの男女が数名来ていたのを記憶している。

中でも、親戚のお姉ちゃんとその友達は長い間、我が家に居候していた。



ある日、お姉ちゃんとその友人が海へ1泊旅行へ行く計画をたてていた。

和歌山の民宿か旅館に泊まるというような話だった。

他の友達も誘って、皆でごろ寝して・・・とても楽しそうな計画!


行きたい 行きたい 行きたい !!!

仲間に入る=ちょっと大人気分。絶対行ってやる!


私は一緒になって、話に入り、連れて行ってとねだった。

お姉ちゃんは、「いいよ☆連れてったるわ~。」と快諾してくれた。

慌てて母の元へ行き、了解をもらった。



男女7~8人程のグループで向かうことになった。

皆で2台の車に乗り込み、ワイワイガヤガヤ、大人の中に子供1人の道中は楽しくて仕方なかった。

1人のやさしいお兄ちゃんが、私を退屈させないように、私をからかって皆を爆笑させていた。

私も爆笑していた。


その日の海は、ちょっと波が高く、少し怖かったけど、入ってるうちに慣れてきて

波に合わせてジャンプしたり、お姉ちゃんやお兄ちゃんに抱きついたり。


遊び疲れて砂浜で寝転んでると、車で私をからかってたお兄ちゃんが横に座って、私の顔を見ずに話し出した。



「他の水着は持ってへんの?」


「うん」


「・・・」


「なんで?」


「なんでって・・・男どもが喜ぶ 投げKISS やろっ!」


「は~~~?」


それだけ言って去っていった。

???解らん人や。




散々遊んで疲れ果てて宿泊先へ帰ったが、そこからまたお楽しみがっ かお2

夜更かししても誰も怒らん!

何時まででも起きててやる~!



しかし・・・ウハウハしながら皆のトランプに交じったとたん、不覚にも眠気が・・・

まだ着替えもしてないのに・・・起きてたいのに・・・私のアホー。


親戚のお姉ちゃんに促され、となりの部屋でお先に眠る事になった。

1人で眠るのは怖かったので、仕切りの襖は開けておいてもらった。

すぐに熟睡。横では皆が楽しそうにしてるというのに・・・




次の日も、午後まで泳ぐ事に!

嬉しくて嬉しくて急いで準備して、朝食が準備されてる食堂へ向かった。


一番乗り~。


するとすぐ、例の兄ちゃんが後を追うように食堂へ入って来た。



「おはよう」


「おはよう!私またいっぱい泳ぐー!楽しみやー」


「・・・あんな」


「?」


「紅ちゃん、もう中1やろ?ちょっとは男の目、気にしいなあかんで」


「??」


「あんたな、体はもう、いっちょ前やし」


「???」


「昨日の夜、スカートのまま寝てたやん?立膝とかして寝とったから、びっくりしてもうたわ」


「????」


「男はドキドキハート②すんねん」


「は~~~?お兄ちゃん、エッチなん?パンツ見たん?」


「アホ。ちゃう。一般論や」


「?????イッパンロン」




すると、親戚のお姉ちゃんがやって来た。朝からくたびれてる感じがした。


「お姉ちゃん、イッパンロンってなんや?」


「何話してたん?」


「・・・別に」



お兄ちゃんの顔をチラッと見たが、しゃべる事なく、少し目を合わせるとすぐに視線を離した。

何故か、急に、さっきの会話が、卑猥 (;´Д`)ノ な事に感じられ、恥ずかしさがこみ上げてきた。

こういう時は、余計な事をしゃべっちゃいけない。

子供の頃から、そんな変な勘はするどい方なので、必死にご飯を食べてるふりをした。



なんだか変。

海に行っても、昨日のようにはしゃげない。


水着に着替えたとたんに、お兄ちゃんの言葉が・・・頭にグルグル。

私は自分の体を見回した。

すでに身長は160cm程あり、胸の成長も著しかった私は、よく見ると、

お姉ちゃん達と変わらない体型だった。



去年買ったお気に入りのビキニ。

すっかり小さくなってる事に気が付かなかった。

小さな三角からおっぱいがはみ出してて、動く度にゆれてる。

かろうじて乳首は隠れてる状態。

下も同様。股を開くと、股間の生地が狭く、ワレメが危うく見えそうなくらい。

というか、見えてたのかもしれない。



アソコ見られてたカモ ガクリ






13歳の私には、ショックが大きかった。


その日を境に、自分が女である事をきちんと自覚したように思う。





あの日のあのお兄ちゃんの言葉。


あのお兄ちゃんは、ロリコンのケがあったんだろうか。。。

それとも一般論だったのだろうか。。。



私のアソコは見られたんだろうか。。。









私は、それまで、すでに何人かの男の子と付き合っていた。

でも、手を繋ぐまでもないような、友達に毛が生えたような存在。


週代わりで相手が変わってたくらい、本気ではなく、もちろんいい加減 てへ。

(↑っていっても、まだ子供だし、”付き合ってる”なんてカウントには入れられない。もしこれを私の彼氏達としてカウントするのなら、一体何人と付き合ったと言えばいいのか・・・)



私は決して自分から告白したりするタイプではなかった。

嫌いな(カッコよくない男の子!)相手には、当然、「好きな子いるから~~~ラララ~♪」

なんて具合に素通りする。


普通~それ以上の”好き”であれば、こっちから拒否はしない。
好きだと言われれば、「とりあえず付き合ってあげよう」(←すでに高飛車 (o^-')b)

という、ボランティア精神旺盛な女の子だった。



相手は、同級生~年上。付き合う相手の新旧の入れ替えは至って簡単。


初期:日記や手紙など頻繁に行ったり、一緒に遊んだり

中期:こっちからの連絡が徐々になくなる

後期:他に好きな子がいると告白。この時点で他の子との初期が始まってる

留期:自然消滅髑髏。決して「もう連絡しないで!」なんて言わない。というか、かわいそうで言えない。だから「察してよっ!」って感じかな。


もし、相手がいつまでも付き合ってる状態を望むのなら、それはそれで放置。しかし、結局は自然消滅へと導くゾゾゾ。





14歳。中3に上がる春休み。


親友のひーちゃんが引越ししてしまったので、新幹線で3時間もかかるようなところだけど、がんばって一人旅して会いに行った。

ひーちゃんは、引っ越してまだ半月ほどなのに、すごく変わっていて、大人っぽくなってた。

友達もいっぱい出来ていた。年上が多いようだった。



遠方から来たと言う事で、私をとても珍しい動物のように、毎日ひーちゃんの新しい仲間が、入れ替わり立ち代り、家に見に来る。ひーちゃんの家は、いわば溜まり場。両親はほとんど家に居ず、一人っ子のひーちゃんの部屋には、常に誰かがいた。


私が到着した日、最初に訪れたのが、彼だった。

2~3人の男女で、私の到着とほぼ同時くらいに。

彼はとても横柄な態度、第一印象 感じワル!



「2コ上。リョウタ。」と紹介された。

他の人の名前は、全く耳に入ってなかった。

「わざわざ新幹線で来たって?はっはは」

「あなたに会いに来た訳じゃないし」


背が高く、とても男前ハート2。

でも、腹たつっ。



リョウは、誰と話すでもなく、ひーちゃんの家でTVを見たり、雑誌や漫画を読んだり。

たまに話すと、ぶっきらぼうでちょっと怖い銭形警部。

私とは、その日最初に交わした一言のみの会話で終わった。

夜、布団に入ってから、「リョウと付き合ってる」と、ひーちゃんが言った。



次の日も、その次の日もリョウと会うことになった。



それは、ボーリングをしていた最中。

リョウがジュースを買いに行くと言う。

私は、こっそりその後姿を目で追ってた。

気が付くと、ひーちゃんもリョウを見ていた。

リョウが歩き出してすぐ、女の子が近寄って、何か話かけた。

周りがうるさく、何を話してるかはさっぱり聞こえない。

けど、親密そうだった。


女の子の態度は、リョウへ好き好きオーラハートを全開に放っていた。

こういうのは、女は敏感に感じられる。

こと、好きな男に関しては、ほぼ100%といっても過言ではない。

私は、またひーちゃんを見た。

ひーちゃんは、すでに歩き始めていた。


3人で何か言い合ってる。

ひーちゃんは、とても怒ってる。。。




「明日帰るよ。」

1週間の滞在は、あっという間だった。

私は、少しずつ、他愛のない話をする事ができるようになってたリョウに向かって、小さな声で言った。


すぐ近くのキッチンでは、ひーちゃんが自慢のサンドウィッチを作ってくれてる。

リョウの友達2人は、もうすぐ到着する。

リビングには、リョウと2人きりだった。
おもしろくもないTVに見入ってるのが、不自然な感じだった。



何も言ってくれない。

居たたまれない空気に耐えられなくなった。

ここにいるより・・・そう思って、ひーちゃんのいるキッチンヘ向かった。


「手伝うよ」


「嫌や~!1人で作りたい」


「自慢したいんか」


「したいんや」


キッチンから追い出された。



またリビングに戻った。

迷ったが、わざとリョウの近くに腰を下ろした。


「さっき話したの聞こえた?」


「・・・」


TVから目を離し、私を見てくれた。

とてもやさしい目。

今までにない、そのとても優しい目の中に悲しさを感じた。

リョウも同じ気持ちかもしれない・・・

私の中に、ほとんど確信に近いものがあった。



その瞬間!一瞬にして、火がついた。



手を取りたいと思った。

体を近付けたかった。

でもそんな勇気はない。

顔も見れない。

涙が出そう。


うつむいたままの私に、そっとリョウが近づいて言った。

「スキだよ」

床についた私の右手に自分の手を重ね、左手で肩を抱いてくれた。

私は、もたれかかるようにリョウにくっついた。

リョウの胸は暖かくて大きかった。


唇を重ねた。ほんの一瞬。

唇を離すと、強く抱きしめられた。


2度目のキス。

今度は、舌を絡めた。


リョウは、長い間離してくれなかった。

突如、ひーちゃんが気になり、慌ててリョウから離れた。


心臓がバクバクしていた。

そして、いろんな事が頭を巡った。


 ひーちゃんごめん。

 リョウを大好きになっちゃった。

 もう一度キスしたい。

 ひーちゃんごめん。

 離れたくない。

 リョウは、遊び人。

 ひーちゃんが来たらどうしよう。

 悟られないか、空気を消さなきゃ。

 リョウを抱きしめたい。

 ひーちゃんごめん。




しばらく時間が必要だったので、トイレに行った。


ちょうどその時、騒々しい声が聞こえ、リョウの友達が来たようだった。

冷静になった私は、さっきの事を反芻し、複雑な気持ちになった。


絶対バレテハイケナイ!


強く思った。




お皿を出し、皆でサンドウィッチを食べた。

何度もリョウの視線を感じた。

なのに、自分でもびっくりするくらい、冷静だった。

私ってこんな人間だったんだ。

リョウの方が動揺していた。

明らかにいつものリョウではなかった。



帰りまでに、少しでも2人っきりになりたかったが、叶わず、とうとう会えなかった。



大阪に帰ってから、しばらくひーちゃんとは頻繁に連絡を取って、リョウの様子をそれとなく探ったりしたが、1月ほどで別れてしまったらしく、ひどく落ち込んでた。



「リョウには忘れられない好きな人がいるらしい」

ひーちゃんがそう言った。



誰を指すのか知る由もない・・・。





リョウとは2度と会う事はなく、私の心の炎も風化した。

でも、彼を忘れる事はない。





ファーストキスの相手リョウとは、たった1日の恋で終わった。