弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
現在、自公政権VS野党共闘の総選挙が盛り上がっています。
これまでの労働政策の是非も争点です。
ところで、総務省が、衆議院選挙の有権者数を発表しました。
有権者総数は1億0562万2860人だそうです。
問題は選挙区ごとの有権者数ですが、一番多いのが東京13区で48万2445人、一番少ないのが鳥取1区23万1313人。
その差は、2.086倍
衆議院選挙の小選挙区では1人しか当選しないので、単純計算すると、東京13区の当選者は、鳥取1区の当選者より2.086倍の人数の民意を反映していることになります。
有権者の立場からいうと、投票表紙の価値は、鳥取1区の有権者は東京13区の有権者の2.086倍の価値を持っていることになります。
これは、投票権の平等を定めた憲法・民主主義の観点からおかしい。
これが一票の格差という問題です。
常識で考えれば、1人一票である以上は、投票価値に差があってはいけないはずです。
ところが、裁判でも毎回争われても、最高裁は憲法違反(違憲)であると判断するのに及び腰です。
ちなみに、衆議院選挙と同時に最高裁の裁判官の国民審査もあり、罷免すべき人物には×を書いて投票できます。
この前の選挙の一票の格差訴訟で、
・深山卓也
・三浦守
・草野耕一
・林道晴
・岡村知美
裁判官は、一票の格差について違憲とは言いませんでした。恥ずかしい。
これに対して、
宇賀克也裁判官は違憲と述べています。
これをおかしいと思うかどうかは、常識の問題だと思うのですが・・・
法律を勉強した学生は、先ほど述べたような最高裁判決を勉強したせいで、一票の価値の問題に鈍感になる人が多いそうです。
4倍くらいまでは大丈夫でしょう、とか、3倍なら大丈夫、とか、大互角でも聞いたことがある話しです。
誤った裁判に引きずられてしまうのは怖いことです。
大学の友達で、一票の格差は基本的に1倍でないといけないと力説していた人がいて、彼はいま企業法務の弁護士になっていますが、スタンスはぶれていません。
そういった常識を自分も維持していきたいと思います。