パート有期労働法(1) | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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パート・有期雇用社員など非正規雇用労働者と正社員との間の不合理な待遇差別を禁止するパート有期労働法8条が、4月1日から中小企業にも適用されるようになりました。

パート有期労働法は、正式名称が「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」です。

法律では、基本給や手当などの労働条件について、不合理な待遇格差を禁止しています。

「不合理な待遇格差を禁止」している、というのは、均衡待遇を規定したことになります。

ところで、均衡待遇というのは、同一労働同一賃金(by安倍前総理)ではありません。

同一労働同一賃金は「均等待遇」ということであり、同じ仕事をしていれば正社員でも非正規社員でも同じ賃金にしなければなりません。

均衡なので、均等(同一)でなくても良い、格差を付けて良い、ということになります。

それでも、正規・非正規の格差が激しかったことを考えれば、かなりの前進です。

昨年の日本郵便事件・東京メトロコマース事件・大阪医科大学事件などの一連の最高裁判決によって、均衡待遇についての裁判所の考え方が示されています。

しかし、新たなパート有期労働法は、最高裁判決よりも更に格差是正の考え方を推し進めています。

これを有効活用しない理由はありません。

次回からは、均衡待遇について説明します。


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