刑事事件の控訴審 | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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いつもお世話になっております。
弁護士の萩田です。

2か月ほど前に、民事事件の控訴審について、ふれました。
2審で逆転するためにどうするか、という話でした。

今回は、刑事事件の控訴審について、述べます。

刑事事件で被告人が控訴をするのは、一般的に
1)事実認定が誤っている場合
2)宣告刑が重すぎる場合
の2種類です。
被告人は、すこしでも自分に有利になるようにと考えて控訴しています。

ところが、刑事事件の場合、民事事件に比べて、さらに、1審判決が覆ることが少ない。

その理由は、民事事件と刑事事件の構造の違いに由来します。

民事事件は、続審制といわれます。
1審の手続にくわえて、必要な範囲内で改めて事実認定と法律判断をし直し、2審で追加になった資料をさらに加えて審理して1審判決が維持できるかどうか判決します。
そのため、2審での主張立証のあり方によっては、結論が変わることが多い。

これにたいして、刑事事件は、事後審制といわれます。
1審判決が正しかったかどうか、原則として資料を1審のものに限定して1審が正しかったかどうか判断する、という制度です。
つまり、「事件を裁く」のではなく「1審判決を裁く」というイメージです。
そのため、刑事事件の控訴審は、1回結審で、その1回目も1分程度で終わることが殆どです。

ところで、民事事件においても、最近、刑事事件の事後審のように運用するやり方が増えてきています。
そのため、控訴理由書(書面)がさらに重要になっています。

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