弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
採用面接でHIVウイルス感染を申告しなかったことを理由に内定取り消しされたのは違法である、
と、9月18日、札幌地方裁判所が判断しました。
この事件で、裁判所は、
・仕事(社会福祉士)の業務内容からすれば、感染の危険性は無視できるほど小さい
・したがって、採用面接時に、感染の事実を知らせる義務があったとは言えない
・反対に、使用者(社会福祉法人)が、カルテを調べて過去のHIV感染を知ろうしたことはプライバシー侵害である
と、かなり踏み込んだ判断をしています。
一刀両断に善し悪しを決めるのではなく、リスクと業務との具体的な相関関係をもとに判断したのが重要です。
なぜかといえば、抽象的に危険・危険でない、というやりかたは、偏見・差別の助長にもなりかねないからです。
昨今の風潮に対する警告の意味もあります。
昨今の風潮に対する警告の意味もあります。