弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
最近、村山由佳さんの「風は西から」という小説を読みました。
もともと地方紙に連載されていたのをまとめたので、もう一回読み返しました。
大手居酒屋チェーン店での過労自死事件を扱ったものです。
過酷な実態に胸が痛みました。
飲食店を中心にブラック企業といわれるところは多い。
長時間労働、安い賃金、残業代の不払い、人間関係、お客対応の困難など・・
チェーン店では、末端の店員だけでなく、店長が自腹を切ったり、徹夜で働いたり、過酷な労働実態があります。
社員が過労死しても、会社に責任はない、という不遜な態度・・
この本は、某社のルポではないかと思うくらい、ブラック企業のリアルな実態が描かれています。
それと同時に、残された遺族たちが弁護士と一緒に、労災認定を勝ちとり、会社のワンマン社長に謝罪させるまでを描いています。
過労死・過労自死は、残された遺族もつらい。
金銭や謝罪だけではけっして解決しないのですが、それを実感します。