日本初の「司法取引」に思う | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
 
報道によると、タイでの贈収賄事件で、はじめて、司法取引が成立したとのことです。
「司法取引」は、他人の罪を警察に密告するのと引き替えに自分が不起訴や軽い求刑などの恩恵を受ける制度です。
諸外国の司法取引は、自分の罪を認めるのと引き替えにする制度が多く、司法手続の簡素化が大きな理由です。
日本の「司法取引」は、他人密告・えん罪の危険性があり、法曹界の反対は強い。

さて、今回の「司法取引」は、名だたる大手企業が捜査に協力する見返りとして会社法人の起訴を見送ってもらい、そのかわり元役員らが起訴されました。
今回の事件の真相は明らかにされていないので、この件について意見は言えません。
 
しかし、一般的に、企業犯罪では組織的不正が見つかることが多い。
だから、現場の労働者や役員などに責任を押しつけることはあってはなりません。
今回の「司法取引」の報道を知り、企業が免責される代わりに現場の労働者らを切り捨てるやり方、トカゲのしっぽ切りに「司法取引」が使われるおそれがないか、不安が残ります。

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