弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
今年は、小林多喜二の小説「蟹工船」(かにこうせん)ブームから10年。
各地で小林多喜二祭が開かれているという新聞記事を目にしました。
小林多喜二は戦前のプロレタリア文学の代表的な作家です。
1933年(昭和8年)に、その思想を理由に特別高等警察(特高)に虐殺されたことは教科書などでも有名な話です。
「蟹工船」は、当時の最先端の技術を使った職場で働く労働者らの低賃金長時間労働・奴隷的拘束とそれに抗する労働運動の高まりを描いた小説です。
10年前は、ネットカフェ難民や派遣切りなどが問題となっていました。
そこから、蟹工船や小林多喜二のブームになりました。
そこから、蟹工船や小林多喜二のブームになりました。
「あれから10年」と感慨深い。
この10年の間に、労働分野では、労働契約法や派遣法の改正が相次ぎました。また、労働審判制度も定着してきました。
そして、今、「働き方改革」が問題となっています。
しかし、無期転換申込み制度については脱法行為が繰り返され、残業代ゼロ法案が登場するなど、なかなか労働条件の改善がすすみません。
無念のうちに殺された小林多喜二は、現在をどう思っているのでしょうか。
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