過払い金とサラ金 | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
 
過払い金事件を手がけるアディーレ法律事務所が、法令(景品表示法)違反のため業務停止になったことが新聞で報じられていました。
 
過払い金は、法律で定められた基準を超えた利息をとっていたサラ金から、その超過分(=過払い)を取り返すものです。
 
労働問題・サラリーマンともちょっと関係あります。
 
サラ金とは、サラリーマン金融の略称です。今は評判が悪いので「消費者金融」と名乗っていますが、昔は「サラ金」と言っていました。
数十年以上も前のこと、銀行などは事業資金や住宅ローンなどを貸し付けるノウハウを持っていましたが、労働者・サラリーマン向けの小口の貸し付けのノウハウは持っていませんでした。
すきま産業として、サラリーマン向けの貸し付けで成長したので、サラ金と呼ばれました。
高利で貸し付けるので、自殺や夜逃げなど悲惨な事件が相次ぎ、規制がかかるようになりました。これは昭和の話です。詳しくは宮部みゆきの「火車」を読みましょう。
 
規制がかかったけれども貸金業規制法(貸金業法)という抜け穴があり、サラ金は相変わらず高利で貸し付けていました。サラ金問題はなくなりませんでした。
そのため、高利の貸し付けが違法であるということで、消費者問題に取り組む各地の弁護士(その代表が、宇都宮健児弁護士)が立ち上がり、過払い金の返還裁判を積極的に行いました。過払い金は借り手の生活再建のためにも重要でした。
 
私も弁護士になったころ、消費者問題で有名な神戸のTTM弁護士からすすめられて、過払い金事件をはじめました。
弁護士の中では借金問題があれば破産するのが常道で、過払い金裁判がまだ少なかった時代のことです。サラ金は取引履歴すら開示せず、その当時はひたすらしんどい事件でした。
 
数年後、弁護士の諸先輩方の努力の結果、裁判所も過払い金返還について積極的な判断を示すようになりました。
 
その後、多くの弁護士が過払い金事件をするようになりました。
広告を大々的に出す弁護士事務所もでてきました。
今昔の感があります。
 
しかし、もともと過払い金は、サラリーマンや生活再建と関わり合いがあり、弁護士の多くはまじめに取り組んでいます。