弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
障害者施設「津久井やまゆり園」での19人殺害事件(ほか27人は重軽傷)から1年が経ちました。
被害者の数などだけみても鳥肌が立つようなおそろしい事件です。
それよりも、障害者なんていなくなればよい、との信念から無抵抗の人たちを狙ったことには、戦慄しました。
生命の尊厳に対する冒涜(ぼうとく)であり、能力の劣るものの存在は否定されるべきという優生思想のおそろしさを見せつけられました。
決して許されない。
しかし、能力の劣るものの存在を否定するという考えは、今回の被告人だけでなく、日本全体に広がっているような気がします。
たとえば会社では、成果や効率を優先して、労働者を評価するシステムが広がっています。その副作用なのか、成果の上げられない労働者、効率が悪い人をののしったり暴行するなどのハラスメントが広がっています。
実際、最近の労働相談の多くがパワハラです。
障がい者はいらない、能力のない人間はいらない、フルタイムで働けない人間はいらない、批判する人間はいらない、…キリがなくなります。
差別や偏見のない社会をつくり、殺伐した雰囲気とならないような配慮が、仕事場にも地域にも求められているのではないでしょうか。