弁護士の萩田です。
いつもありがとうございます。
勤務成績不良、能力不足というのは解雇理由の筆頭かもしれません。
しかし、実際に裁判所が解雇を有効とすることは、実感として多くありません。
解雇には、客観的合理性と社会的相当性が必要です。
その点で、勤務成績・能力問題は、
(1)将来も能力不足が継続されそうか
(2)解雇以外の措置をとったあとの最終手段か
(2)解雇以外の措置をとったあとの最終手段か
ということが大事な要素になります。
とりわけ、警告・指導、教育訓練、配転、などの解雇回避手段をとっているかは重視されています。
能力不足というのは、裏を返せば会社の指導力不足ともいえます。だから労働者だけを責めるのはおかしいのです。
相談を受けたときには、ラジオ局のアナウンサーが二度寝過ごして定時ニュースを放送できなかった事件を例にして説明することが多いです。
(高知放送事件)
(高知放送事件)
この事件では、寝過ごしたのが悪意・故意ではないこと、先に起きてアナウンサーを起こすべき担当者も寝過ごしているのにけん責にとどまっていること、本人が謝罪していることから、解雇無効としています。
したがって、勤務成績不良・能力不足は、解雇は簡単にできないのです。
つまり、能力不足といわれても恥じることはなく、堂々と解雇を争いましょう。
p.s.
高知放送事件の最高裁判例は、労働法の講義で、恩師・菅野和夫先生が、
「寝過ごすというのはミス・過失ですから、故意・悪意によって寝過ごすことなどそもそもあり得るのでしょうか?」
と冗談交じりに解説されていたことを今でも鮮明に覚えています。
高知放送事件の最高裁判例は、労働法の講義で、恩師・菅野和夫先生が、
「寝過ごすというのはミス・過失ですから、故意・悪意によって寝過ごすことなどそもそもあり得るのでしょうか?」
と冗談交じりに解説されていたことを今でも鮮明に覚えています。
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