「忙しいから有給休暇はダメ」はダメ | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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こんにちは、弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。

 
会社に有給休暇の取得を申請したところ「忙しいからだめ時期だから」という理由で拒否されました。
 
よくある相談・悩みごとです。
 
有給休暇の正式名称は年次有給休暇、略称は、有休、年休です。
 
休んでも給与が支払われるので「有給」の「休暇」です。
 
法律上、労働者に当然に認められる権利です。
 
有給休暇をいつ取るのかは労働者の権利
 
有給休暇をいつ取るか、どのように利用するかは、労働者の自由です。
 
時季指定権は限定-「忙しいからダメ」は簡単には通用しない
 
ただし、たとえば職場が一斉に有休休暇を取ったら仕事にならないので、こういった支障が出るときに限り、会社は有給休暇を他の日に振り替えることができます(時季変更権)。
 
そうすると、「忙しいからダメ」が通用するのかと思ってしまいそうです。
 
しかし、そんなことはありません。
 
会社に支障があるときというのは、休まれたら会社が正常に運営できないという具体的な事情があるときのことです。
 
裁判所も、会社の規模、職場配置、業務内容、作業の繁閑、代替要因の確保の難易などを総合的に判断するとしています。
 
むしろ、会社は、労働者が指定した時季に休暇が取れるように状況に応じた配慮をする義務があります。
 
したがって、単に「忙しいからダメ」は、ダメなのです。
 
こういう場合、休んでも違法にはなりません。
 
p.s.
弁護士のような個人事業者にとっては、有休はうらやましい制度です。
働き盛りの有休取得率は50%をきっていると言われています。
外国ではほぼ100%使い切ると言われています。
ここでは働き方の改革をすすめないといけません。