こんにちは。
東京 新宿・中野の石けん教室 しゅわしゅわしゃぼんの会の YUKI です。
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
 
 
今回は、知る人ぞ知る便利素材!
「ステアリン酸」「ミリスチン酸」について。
ちょっと長いのでお時間のある時に♪
 
知らないなぁ、、、という方は、
ぜひステアリン酸とミリスチン酸の特徴を覚えて帰ってくださいねヽ(=´▽`=)ノ
 
(写真はステアリン酸、ミリスチン酸を入れた石けん)
 
ステアリン酸やミリスチン酸は、
特定のオイルの中に入っている成分脂肪酸)の一つです。
 
お手持ちの石けんの本に、油脂の脂肪酸組成表が載っていたら、
ステアリン酸、ミリスチン酸を探してみてくださいね。
 
この素材には、こんな特徴があります。
 
ステアリン酸:
硬い石鹸を作る。パームオイル、ココアバター、シアバターに多く含まれる。
 
ミリスチン酸:
泡立ちを良くする。また、溶け崩れしにくくなる。パーム核オイル、ココナッツオイルに多く含まれる
例えば“パームオイルは石けんに硬さを出してくれる“といいますよね。
それは中に含まれている成分である、ステアリン酸のおかげだったりするのです。
 
さて、このステアリン酸や、ミリスチン酸を
オイルから取り出した製品が販売されています。
 
私が、ステアリン酸・ミリスチン酸を使おうと思った理由は、家族から「手作り石けんはしっとりするのはいいが、溶け崩れが嫌だ」と言われたことでした。
 
 溶け崩れしにくい石けんを作るためには
パームオイルやバターの量を増やすことになりますが、
逆にソフトオイルの量が少なくなってしまいます。
 
少量で硬さを出すためにステアリン酸、
ついでに泡立ちも市販品並に良くしようと
ミリスチン酸もあわせて使ってみることにしました。
 
使い方は、オイルと一緒に溶かすだけ。
ステアリン酸は融点(溶ける温度)が約70度。ミリスチン酸は約55度です。
※鹸化価が設定されているので、量が多い時は苛性ソーダ量の計算も行います。
 
入れるとトレースが早くなるという働きもあります。
総オイル量の10%まで入れられますが、
これだけ入れると相当早くトレースが出ます。
DSC08426.jpg
 
さて、ステアリン酸、ミリスチン酸の配合率を変えて、
4種類の石けんを作りました。それぞれの使用感は私個人の感想です。


(1)マルセイユ石けんレシピ × ステアリン酸2.5%、ミリスチン酸2.5%
(マルセイユ=オリーブ72%、パーム、ココナッツ)

使用感)
普通のマルセイユレシピより柔らかくなりにくい。
泡はさらっとしていて、泡立ちアップ効果は実感出来ない。
使っていくうちに石けんが薄くなっても形崩れしにくい点は良かった。
DSC08776.jpg
↑使い続けて薄くなっても形を保っています。
 
まとめ)
ミリスチン酸は2.5%程度ではあまり効果が分かりません。でも、ステアリン酸は2.5%で効果を感じました!



(2)キャスティール石けんレシピ(オリーブオイル100%) × ステアリン酸2.5%、ミリスチン酸2.5%
 
使用感)
普通のキャスティールに比べると溶け崩れしにくい。
泡立ちアップ効果はあまり実感できない。
石けんが薄くなるとやわらかくなる
 
まとめ)
やっぱりミリスチン酸は2.5%程度では大きな変化を感じない。。
ステアリン酸は効果があるけど、もともとキャスティールは非常に柔らかくなりやすい石けんなので、もう少し入れた方が良かった。

(3)ソフトオイル多めに配合したレシピ × ステアリン酸4%、ミリスチン酸4%
 (ソフトオイル=常温で液体のオイル)
 
使用感)
硬さがあり溶け崩れしにくい。
非常にもっちりとして細かい泡が立つ。石けんの減りは遅め。
使っていくうちに石けんが薄くなっても形崩れしにくい。

まとめ)
ミリスチン酸も4%配合すると効果がはっきりみられるようになった。

 
(4)ソフトオイル多めに配合レシピ × ミリスチン酸5%
 
使用感)
使い始めると表面が少しゼリーのようにどろっとしてくる。
石けんの減りは少し遅め。
非常にもっちりとして細かい泡が立つ。
石けんが薄くなるとやわらかくなる

まとめ)
ミリスチン酸は4~5%も入れれば泡立ちがかなり変わってくる。 しかし、ミリスチン酸だけでは硬さを出す力は弱い。硬さを出したいならステアリン酸も必要。
 
<作成結果のまとめ>
手作り石けんは溶け崩れしやすいのが弱点ですが、
溶けやすいレシピでも、
ステアリン酸を2%~入れると石けんが使いやすくなります。
4%ほど入れればかなり快適に使えます。

ミリスチン酸で泡立ちの良さを実感したいなら
ココナッツ(orパームカーネル)オイルを入れているレシピでも
3~4%は入れると良いです。
普通のレシピではなかなか作れない、本当にもっちりとした細かい泡が立つ様子には感動します。

どちらも融点が非常に高いせいか、
膜をはったような使用感があるというレビューもありましたが、
私の肌では実感できず。全く問題ない使い心地でした。

<ワンポイント・使い方のコツ>
トレースが早く出てきますが、鹸化反応をスムースに進めるためにも
苛性ソーダの温度は通常より下げすぎないほうがよいと思います。
融点が高いため、温度が低いとまた固まってきてしまいます。
 
苛性ソーダと合わせると、ものすごい勢いでトレースがでてきますが、
しっかりと素早く力強く混ぜ続けましょう。
これは何度も作った経験からですが・・すぐにトレースが出たからといって
あまり混ぜずに型入れすると、
いつもとちょっと違う、不安定な石けんになってしまいました。

*****
 
どちらも数パーセント入れるだけで瞬時にハードトレースが出ます。
ひとつまみ入れるだけでもトレースが早くなり、
うまく使いこなせば頼りになる素材です。
 
どちらかというと私はミリスチン酸の方が好きです。
(溶かす温度がステアリン酸より低いためです。また泡立ちが好き。)
 
 
ここまで読んでくださってありがとうございます!
 
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