松原さん:
ウイルスの量に注目して対策をとっている県があるんです。
そこをこれから紹介しようと思います。


感染状況とか、対応をどう取っているか、確保病床などを参考にしているということなんですが、ナンバーワンに輝いた鳥取県がウイルス量が多いスプレッダーに注目して対策をとっているんですね。

どういうものか紹介しますが、まずは先週県民に対して作った県のPRビデオということになるんですがご覧いただきましょう。

(ビデオ参照)




松原さん:
という話でしたが、どういう中身なのか。
ちょっと整理しておきましょう。


高畑さん:
鳥取県ではウイルスの量が多いか少ないか
そこに注目してその対策を打って県独自の警報を発令しているんです。
ここの出ているグラフは鳥取県の陽性者のうちウイルス量を多く持つ人を洗い出してその人数を出したものなんですが、


鳥取県では去年の12月から今年の1月にかけてこの年末年始でクラスターが発生しているんです。
この時点ではウイルス量には注目がいってなかったので、「どうしてなんだろう、なんでクラスターが発生したんだろう」ということで原因を究明していたんです。
そうすると後々、
「この時はウイルスの量が多い人がこれだけいたんだな…」ということが分かり、
1人でもいるとクラスターに繋がるから危険だということで、
3月にはそのような人はいなかったものの4月1日に独自の警報を発令しているんです。
発令は出したんですが、その後もウイルス量が多い人というのは4月中に49人ものぼりました。



松原さん:
実際にこういうふうにウイルス量を多く持つ人たちが発見されて、見つかったということで実際、数字をとっていて分析していたんですね。

3月には出なかったんですが、準備ができたということで4月1日に発令を出したらその後もこういうふうに出たということになる。

25未満の方々というのがCt値どのくらいの方なのか、さっきの図に戻って確認しておきましょう。

25以下ミスト、そしてスポイトの1滴、これでうつるぐらいウイルス量が多い方ということになる。
この人たちを発見して、この人たちが複数出たら警報を出すという対策をとっている。


武見さん:
鳥取県知事、的確な判断でおやりになりましたよね。
これは単にPCR検査の陰性、陽性だけじゃなくて、ウイルス量によって感染力が違うってところに注目をしてそこを中心にして抑え込む。
ただ、鳥取県というのは人口密度が非常に少ないですから、コミュニティーが分かれているのでこういうふうに特定化して抑え込むのは比較的しやすいんですよ。
ただ、大都会はね、人口密集地でしょ。
そこをきちんと分けてですねおさえこむことが非常に難しいので、鳥取県は非常にやりやすかったんだろうなという認識をしました。



松原さん:
わたし、ちょっとわからないのはウイルス量が多い人が誰かにうつすと、
やっぱりウイルス量が多くなるということではないんですよね?



松本先生:
そういうことではないです。
ただし変異株の場合はかなりそれぞれうつった人達も
多くはなりやすいと思います。



松原さん:
これを警戒しなければいけないのは、ものの言い方かもしれませんが、
ウイルス量が多い感染者がこういうふうに複数連鎖的に見つかるということは、
その地域でウイルスの密度が濃くなっている、そういう言い方もできる?
だから、そこをたたいておかなければいけないと。



児玉先生:
特にこの場合は、恐らく4月ぐらいから英国型が入り込んでいるんじゃないですかね。
ですから、ウイルス量の多い少ないということで変異株が入ってきたことに気づいたっていう面もあると思いますね。



松原さん:
こういうやり方は有効だと思われますか?
今、我々は緊急事態宣言、蔓延防止措置のようなことばかりやっていますが、これを独自にこういうことを調べてウイルス量を調べて複数見つかったら、
「いいですか皆さん注意してください」と呼びかける。




児玉先生:
世界はどんどんそういう精密医療に移っています。
量をみる、タイプ、配列の変異を見る。
それで、イギリスはワクチン打って割と早く感染者数を減らせたけど、フランスとかドイツはなかなかワクチン打ち出しても簡単にロックダウンを解除できなかったというのは実は『イギリスはすごくたくさん検査をやっています』
それで、すごくゲノム追跡もやってどのタイプが多いか。
それで郵便番号で多い地域はかなり徹底的に検査を集中したりということをやっています。
そういういろんな防護策とワクチンが合うと、
新たな感染を増やさないで今までの感染をワクチンで抑えていく。

逆にワクチンをスタートしてもイギリスの場合は島国ですから、まだいいんですが、フランス、ドイツは地続きですからいろんなタイプが入ってしまって、アメリカもそうだし、アメリカ大陸、中南米もそうなんですが、地続きで入ってくるところは対応がしにくいと思うんですが。
新しいウイルスが入ってくることに対する警戒もやらないとワクチンだけの効果というのではなかなか簡単に抑え込めない。




松原さん:
じゃあ具体的にこれまで取れなかった対策が取れるようになるかもしれない。
どのように具体策をとるのかこれをCMの後に見ていきたいと思います。


(CM)


松原さん:
具体的にウイルス量が多い、少ない、これによって対応をどう変えられるのか、あるいは新たな対策を取りうるのかということを議論していこうと思うんですが、
まずは感染者の方の退院基準というのをみていきたいと思います。
(図参照)


有症状者の方はこういうことでしょうけど。
無症状者の方でスーパースプレッダーもあると見てきました。
無症状者の方は宿泊か自宅療養になっているわけですが、この場合、これがどうなるのかを疑問が湧くんで開けてみました。
例えばCt値が多いということはウイルス量が少ない人、
ウイルス量が少ない人はペットボトル1本分の500ミリリットル分の唾液がないと人にうつさないという人。
極端な議論になるかもしれませんが、自宅療養が必要なんだろうかという問いが生まれてきます。
あとはウイルス量の多い人というのは果たして10日で自動的に解除で大丈夫なんだろうかと。
ウイルス量が多い、なかなか抜けないということになるともっと多く取るということ、ウイルス量をはからなくていいんだろうかという問いも湧いてきます。
まずこれ、一つ目、ウイルス量が少ない人は自宅療養、宿泊、いらないっていうことはないんでしょうか。




児玉先生:
もう一つは中和抗体を見て欲しいんですね。
今、中和抗体の測定が定量化でいろんなところでできるようになってきていますから、抗体の中でも感染を抑える中和できる活性を見ることができるようになっていますんで、中和抗体できてる人からうつるというのは非常に考えにくいです。




松原さん:
それができないのは全部はからないといけないから10日間居てもらおうというのがいまの便宜的なルールということなんでしょうか。



武見さん:
中和抗体の量がどう的確にはかられてうつすことがほぼ無くなってきてるという判断が正確に下されてそれによって10日間もいなくてもいいですよ、という仕組みはまだできていないです。



児玉先生:
いま、無駄な自宅待機とかが多くて中和抗体できていてウイルスのCt値が35とかだったらまずは感染性は疫学的にないと思います。




松原さん:
中和抗体はすぐわからないかもしれませんがPCR検査を受けて、
「いくつですか?」と自分で聞く、
そこでCt値がものすごく高くて、
「俺これ陽性かよ」っていうぐらいの数字だったら外にでていいとは言いませんけど、
ウイルス量が多いと分かった人ほどは緊張感はなくていいということですかね?




児玉先生:
中和抗体は血液も少量でできますから普通の医療機関とかだったらもう、検査期間に回せば簡単にやってもらえる時代になってますから。
早く保険適用にして血液検査で今まで肝炎でもそういうのは普通みんな、
「抗体ができたらいいですよ」というのは当たり前の常識になっていますので。
そういう一般の感染症と同じように抗体検査をやってないっていうのは
世界でも日本ぐらい
公式に認めてないのは日本ぐらいになってきているとおもうので、
抗体検査も同じようにやって抗体ができたらウイルスが少々あっても免除という格好が大事だと思います




松原さん:
そういうルールにできれば楽になる人もたくさんいますよね。



武見さん:
今までとにかく国の中では抗体検査の頻度というのが、まだ非常に低くて実際に政策的に活用するのはまだ時期尚早というのが今までの判断なんです。



児玉先生:
いやいやもう、全然!
「きちんとした定量的」なやつと、「慌ててやりますよ」という話であって、「慌ててやりますよ」というのは急いで出るからいいというので、やってたんですけど、今はそうじゃなくて、「血液でやる」と言っているやつは自動化の機械でわーっと大きな検査機関や大学病院では自動で…。



武見さん:
だったとすれば、政策の中にきちんと取り入れて、そういう10日間も隔離しないでもいいという形を整えることは私は可能だと思います。
ただ、児玉先生からお聞きするような話が政府の中の、そういう担当してる人たちのところから聞こえてこないんですよね。滝汗滝汗滝汗




児玉先生:
保育園なんかで私どものところへ来るのは保育園の先生と両親が感染していてPCRやったら子供は出なかった。
それで「両親が隔離解除となったら、子供はあと10日間隔離しなくちゃいけないんで調べてくれ」と、
そういうのをみたら子供さんの方が親御さんの4倍くらい抗体が出ている例、ざらにあります。
僕らは保健所に
その子供さんは隔離必要ないです」と書いて今、送っております。




松原さん:
ウイルス量の多い人は10日で大丈夫なんですか?



松本先生:
そこは、今疑問で、特に今問題になっているのが変異株の場合は10日間よりももう少し長くなる可能性もありますし、そういう意味では今、本当に10日で切っているというのが大丈夫なのか。
うちは実は退院基準も含めて院内の中では別のルールを作ろうとしています。
あとこの図、間違っている部分があるので…。

上の方の症状改善から3日間というのは前倒しして10日間の間に症状改善して3日間なので13日というわけではありません。


松原さん:
もう一つみてみましょうか。
社会的検査をここでも何回かやってきましたが、例えば学校、高齢者施設、病院、保育園、

こういうところの社会的検査が必要であるということを児玉先生はずっと訴えてこられた。
ただ、私も今回、ウイルスの量でスーパースプレッダーいろいろ今日勉強してきて、
やはりこういうところで社会的検査が必要な理由が陽性者を見つけるというよりは「陽性者の中でもスプレッダーになるかた」を見つけて「隔離」することで急激な拡大を防ぐと。
こういうふうに言い換えていいというわけですか?



児玉先生:
もう一つは、陽性になった人は今重症にならないようなステロイドとかアクテムラとかいろんな治療法がありますので早期治療にして、重症者を増やさない。
もう一方では感染者を増やさない。
この両方の目的です。
重傷者がふえていくと、検査どころじゃなくなっちゃいますから。
医療崩壊にすぐいってしまうというのがこの病気の特徴ですから。
防御的な社会的検査をやると同時にやっぱり早めに重症化させない治療と組み合わせる。
これがすごく大事なんです。



武見さん:
我々もこうした早い時点から社会的検査でPCR検査についても疑わしい人たちを対象としてやるところから、より幅広く無症状の人も考えたスクリーニング検査ということで官民連携でやろうと、民でやるときは医療機関とも連携しながら陽性者については保健所とも繋がるようにしようという仕組みにしているんですが、まだなかなかそれが広く定まらないのが現状です。



松原さん:
高齢者施設も増えないなと議論していると、
がーっと感染が増えて、それどころじゃなくなってしまうという…。



武見さん:
だから今度はインドの変異株が新たに広がってきますとね、そんなこと言ってらんないからとにかくやるしかないってことになってきますよね。

(CM)



次で最後です爆笑





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