授業が終わり、帰って良いのか、それとも音楽室に寄るものなのか、あゆみ先輩と会うこともなく、迷っていると音楽室からピアノの演奏が聞こえました。
誘蛾燈に引き寄せられる虫さながらに音楽室の前を通るとさやか先生がお一人で、かなり気合いの入った様子で、演奏していました。
そのまま通り過ぎてから隠れるようにしながら、ドアのガラスから先生を見つめていました。
合唱部の練習はお休みらしく、体を揺らしながらピアノを叩く先生に見とれているとぽんと肩を叩かれ、振り返るとあゆみ先輩が、立っていて、
「先生の邪魔しちゃだめよ。殺されちゃうわよ。ほんとよ。」
今にもドアを開けて音楽室に入りそうになっていた私をあゆみ先輩は引き留めてくれたのでした。
音楽室の先の廊下を曲がったところに階段があり、そこに座って演奏が終わるのを二人待っていました。
「実は、今朝さとみさんと一緒に通学したんです。さとみさんから謝られて、僕すごく申し訳ないと思ったんです。」
「どうしてよ、虐められてたんでしょ。」
「あのときは助けて下さって、ありがとうございました。」
「助けたんじゃないわ。」
意外な言葉にあゆみ先輩を見つめました。
「助けた訳じゃないのよ。」
さとみさんはあゆみせんからかなりきつく叱責されたと思ったので、取り繕うために報告したのにどうやら私の勘違いのようでした。
「ハル君、喜んでたじゃない。」
頭に血が上るのをかんじました。
「うれしそうだった。だから、さとみに問いただしたのよ。」
さとみさんのこともさやか先生のこともあゆみ先輩には全部ばれてしまっていたんだと思うとなんだかその場に溶けて流れてしまいそうでした。
「懲らしめているうちになんか落ち着いちゃってって、さとみ言ってたわよ。」
「反抗したら、もっとひどい目に遭いそうだったので。」
「あら、そう。私、先生の気に入りそうな男子をいつも探しているのよ。先生が喜んで下さったら、私もうれしいから。」
「僕ってただの貢ぎ物ですか。」
「あら、先生にも喜んで下さったのに不満なの。」
「不満なんかじゃないです。ただ、僕はあゆみ先輩から先生に送られたのが、悲しくて。」
あゆみ先輩は少しうつむいて、二人無言の時が流れました。
「ごめんね。分かっていたのよ。でも先生がね。」
「変なことを言って申し訳ありませんでした。僕、これから先生のところに行きます。あゆみ先輩、本当にありがとうございました。」
自分でも何でお礼を言っているのか分からなかったのですが、そうすることで私がさやか先生から厳しい訓練を受けるのをあゆみ先輩が傍観していられるのか、試したかったという狡猾なもくろみがあった気がしています。
演奏が一段落した様子で、私が音楽室に向かうのをあゆみ先輩は階段で見据え、
「じゃ、帰るわね。」と一言発し、玄関に向かって行かれました。
ガラス越しに音楽室の中をのぞくと先生は見えず、ドアを開けて気配もなかったので、控え室におられるのではないかと考え、出てこられるのを待つことにしました。
先生から呼ばれてもいないのに出頭したとなると私が昨日の続きを強く希求したと喜んで下さるのか、迷惑千万でもう次はないと覚悟すべきか、運命の分かれ道と感じました。
さやか先生は中学一年の男子生徒の心情などすべてお見通しでした。
控え室にドアはなく、外から見ると中は真っ暗で、そこから先生が手招きしているのを見ると私はすぐにドアを開けて控え室まで走って飛び込みました。
昨日先生から指示されたことはもちろん覚えていて、土下座して額を冷たい床に押しつけました。
先生が後頭部を足で押さえつけるのを感じました。
先生は何もおっしゃいません。
先生はさらに無言のまま私の毛髪をつかみ、ふと上を見ると頬を何度か叩かれました。
それから人差し指で床を指され、私は正座しました。
手で顎をしゃくられ、口の周りを撫でられたので、私はほとんど条件反射で上向きになり、可能な限り開口していました。
先生はスカートを履いたまま、私を中に包むように覆い被さると真っ暗でしたが、先生がスカートの中に何も身につけてないのが分かりました。
控え室は真っ暗ですが、音楽室から多少明かりが入り、先生の臍部から心窩部にかけての姿態が目に入りました。
先生の茂みの影が目の前に広がり、一呼吸もおかずに暖かい水流を口中に受けて、死に物狂いで嚥下していました。
全体にこぼさない、あふれさせたりしない、なんだか妙に強く心に誓った気がしました。
昨日より量は少なめで、私は先生のすべてを受け止めて、荒い息をしながら、とても満ち足りた気分でした。
先生は余韻を楽しむことなく、スカートの中から私を脚で押し出すとまた示指で床を指されたので、怯むことなく土下座をしました。
後頭部を踏みにじられ、背骨に沿って腰の辺りまで足で押さえつけられました。
それから先生はさっと私の後頭部に腰を下ろされました。土下座の姿勢で額を床につけていたので、細身の先生でもかなりの痛みが額に走りました。
私が細かく震えたせいか、先生は腰を上げられ、軽く蹴るようにして私を仰臥位にさせると即座に私の顔に前向きに腰を下ろされ、先生の茂みが鼻にかかり、甘酸っぱいような薄い香りに包まれながら、人中で先生の体重を感じていて、口を開くことはできませんでした。
突然ぐっと腰が額寄りに振られると先生のお尻の一番奥の部分が私の鼻孔に重ね合わせられました。
先ほどの甘酸っぱい香りとは全く異なる強い侵襲性、攻撃性、組織破壊性まで持っていそうな匂いが脳天まで突き抜けました。
逃げようもなく、その強臭を伴った空気でなんとか息を継いでいたところ、先生のお尻の奥に埋め込まれていき、抉るようにさらに密着させたので、鼻を糊付けされるような窒息の恐怖を覚えました。
それから、再び腰の位置を元に戻されると鼻が解放され、少し甘みを持った腐敗臭に包まれ、口には先生のお尻の穴がぴったりと宛がわれ、その時私は先生とキスを交わしたんだ、初キッスはお尻とだけれども、先生と交わしたんだと強い興奮を覚えていました。
先生の手が私の頬を合図するように叩き、開口の命令と判断して、できる限り大きく開けてそこに先生のお尻がはまり込むように押さえつけられました。
キスとはいえ、先生のお尻の穴が私の口に宛てられているということは、もしかするとこのまま口に出されてしまうのだろうか、食べられるのものなのか、危機的な状況の中なのに冷静に頭が働いていて、さやか先生の次の動きを待っていました。
10分以上そのままだったと思います。
さやか先生は一言も発せられず、もしかすると私の動きをお待ちなのかと考え、そっと舌を伸ばして、先生のお尻の穴を刺激したところ、先生は急に腰を上げられ、
「勝手なまねするんじゃないわよ。」
とかなりヒステリックな声を上げられ、顔面を強く踏みにじられ、先生は控え室を出て行かれました。
しまったと思ってもすでに手遅れで、先生の後を追うと楽譜を整理され、鍵盤の蓋を閉じているところでした。
土下座しようとしたところ、足で制止され、
「外から見えてるのよ。もう帰りなさい。」
蹴り出されるように音楽室を出て、振り返ると先生はピアノの椅子に座って何か思案中のご様子でした。
お詫びもできそうになく、諦めて生徒玄関に向かいました。
小さな電球が灯るだけで、人影もなく、何となく不気味で、そそくさと外に出ました。
後ろから声をかけられ、あゆみ先生はすぐに分かりました。
待っていてくれたのでしょうか。
「早かったわね。あらあら今日もお顔が大変ね。」
自分ではすっかり慣れてしまった気がしていたのですが、さやか先生のお尻に敷かれてから、顔を洗っていなかったので、鼻の中まで饐えて匂いで一杯になっていて、あゆみ先輩に早速指摘されてしまいました。
「ハル君、喜んでるんじゃないの。さとみの時もそうだったわ。怖くて泣いてるんじゃないかと思って助けたのににやけてるから驚いちゃったわ。」
「だって、無理矢理押さえつけられて、逃げたらもっとひどい事されそうで。」
「でも喜んでたでしょ。変態。」
「あゆみ先輩は音楽室の奥で僕がどうなったか、ご存じなんですか。」
「知らないわ。絶対来るなって先生に言われてるから。」
「本当にご存じないんですか。」
「前に悲鳴が聞こえてきたっていったでしょ。でもぶたれた様子はなかったから、変だなと思っていたわ。」
「本当にご存じないんですか。」
「前にね、どうしても気になったから、先生に聞いてみたことがあるわ。そしたら、マーキングよって、ウィンクして教えてくれたのよね。」
「マーキングですか。僕は先生にマーキングされたんですね。」
「たばこの火を押しつけられたとか」
私は腕をまくり上げて、火傷痕のないことをあゆみ先生はご覧に入れました。
「痛かったの。」
「痛くはありませんでしたが、僕は生涯忘れないと思います。」
「なんだかよく分からないわね。まあ良いわ。一緒に帰ってあげる。」
あゆみ先輩は二学年上ですから、女の子というよりもう立派な女性に見え、私にはまぶしい存在なのですが、幼なじみでもあり、うかつなことはできないと思ってきました。
好きな男性がいるのか、交際している男子生徒がいるかどうか、かなり気になるところでしたが、多分私のことなど子供としか思っていないでしょうから、尋ねてもはぐらかされるのが落ちで、わざわざ気まずくなるようなことは避けていました。
「あゆみ先輩から見て僕って子供でしょうか。」
数秒おいて、
「子供とは思ってないけど、まあ、かわいい後輩かしらね。」
「後輩ですか。後輩が虐められてたから、助けて下さったんですね。」
「そうよ、それなのに喜んでるんだもん。びっくりしちゃった。」
「ですから喜んでいた訳ではないんです。」
「でもうれしそうだったじゃない。」
「じゃあ、それをご覧になって、あゆみ先輩はどう思ったんですか。」
「変態。」
「泣きそうになります。変態だから気持ちが悪いんですか。」
「気持ち悪かったら、こうして一緒に歩く訳ないじゃない。ただ、変態なんだなって思ったのよ。」
「変態ではだめでしょうか。」
「そりゃだめよね。」
「あゆみ先輩が僕をさやか先生に突き出したりするから。」
「だって、うれしそうだったじゃない。」
「ぼくは、さやか先生にずっと憧れていたので。」
「じゃ、良かったじゃない。さやか先生に触れることができて。お尻だけどね。」
「僕、本当はあゆみ先輩のことがずっと前から好きでした。」
「あら、ありがとう。とてもうれしいわ。」
「あゆみ先輩は僕のことどう思っているんですか。」
「変態。」
埒は開きませんでした。
それから毎日私は夕方音楽室に通い、あゆみ先輩の冷たい目線を浴びながら、さやか先生のお尻に敷かれ、控え室に引き込まれ、何のためらいも気遣いも頂けないまま、正にただ単に小用を足されるだけの存在に身を窶していきました。
土曜日はあゆみ先輩の歌唱の練習はないので、さやか先生のお尻にずっと敷かれたまま、ピアノの演奏を聴いていました。
あゆみ先輩がいないのと生徒が廊下を通ることがないためか、さやか先生はパンティを着けられず、スカートに包まれると両脚からお尻も腰もそのまま見え、お尻の膨らみが丸くてとてもきれいな輪郭を描いているのを眺めていました。
すぐに左右の膨らみの間の奥の奥に顔を挟まれるとやっぱり私はこう扱われるのが、運命なんだと思いました。
こんなに美しい先生のお尻が何故こんなに厳しい攻撃的な匂いをたてるのか、わざとなんじゃないかと疑ったりしていました。
私は先生のお尻にだけご奉仕を許される身であるならば、匂いの出所にキスしたり、舐めたりしてみたいとも思ったのですが、先生は決してそれは許して下さらず、私は座布団と小用のみ使用される道具のようでした。
パンティなしで長時間鼻孔をお尻に埋め込んでいると匂い付けというより、私は先生の排泄物そのものなのではないかさえ感じていました。
夏休み中は9月の発表会に向けて、精力的な特訓が行われる中、私はさやか先生にお仕えする僕というよりただの小道具のように使用され、あゆみ先輩は本番が迫るにつれてとても神経質になられ、私に構って下さることもなくなりました。
9月の連休の前に合唱部の発表会があり、あゆみ先輩の独唱も見事にきまり、これで3年生は部活動引退となりました。
試験週間が終わり、合唱部は3年生以外で編成され、独唱を担当する候補となる女子生徒が3人さやか先生の指導を受けていました。
3人女子生徒が練習するところに私の出番などあるはずもなく、私はさやか先生から使い捨てにされてしまった気がして、心が荒んでいくのを感じました。
あゆみ先輩は受験勉強で、全然校内で顔を合わすこともなく、さとみさんと時々顔を合わすと子犬をかわいがるようななんだか見くびられた存在の自身を嘆きました。
12月の期末試験が終わると冬休み前の自由な雰囲気に同級生は浮かれていましたが、私だけうち沈んでいて、正月もあまり気が乗らず、自分の部屋でさやか先生のお尻に敷かれる夢想にばかり耽っていました。
自堕落な生活のまま卒業式を迎え、在校生は歌の練習や呼びかけの仕上げに勤しみ、私もせめてあゆみ先輩を華やかにお送りしたいと多少心を入れ替えて頑張っていました。
卒業式ではさやか先生のピアノ演奏に合わせて、在校生は歌声を響かせました。
さやか先生に視線を送っても全く反応はなく、破棄処分済みかと心にさざ波が立ちました。卒業生が一列になって校門まで見送られ、私も友人と一緒に拍手をしてそれを盛り上げていたところ、さやか先生に肩を叩かれ、後で音楽室に来るように小声で伝えられました。
3時過ぎの音楽室にはさやか先生がピアノに向かっておられ、ノックして入ると無言のまま、顎で控え室に入るように指示され、私は中に入ってから膝をついて土下座していました。もうそんな姿勢をとる必要もないかもしれなかったのですが、それならさやか先生に心からのお礼を述べたいと思い、額を床につけていました。
先生は卒業式と同じ薄手のワンピースに黒いハイヒールで、コツコツ音をさせて、私に近づいてきました。
土下座した頭を踏みつけられ、矢庭に正座させられ、いつもの姿勢をとらされ、口中に熱い奔流を受け止めました。
もう慣れていて、溢れさせる恐怖感などなく、すべてを受け止め終わるとさやか先生はくるりと向きを変え、私にスツールのように座られ、私は自分から鼻孔を先生のお尻の中心部に埋め込むように押しつけました。
少し酸っぱいような匂いがしただけで、これまでの腐敗の果てのような厳しい臭気はありませんでした。
先生がぐっと体重をかけてくると私の顔はほとんど水平になり、後ろに手をついて、支えていました。
先生が私の両腕を払うように脚を振ってこられ、そのまま床に仰向けに倒れ込むと先生は私の口にお尻を合わせてしゃがみ込みました。
「もう出てきて良いわよ。」
私はずっと目を閉じて、先生の尻に接吻していたのですが、ぎょっとして、目を開けるとさとみさんとあゆみ先輩が私を覗いていました。
「控え室ってこうなっていたんですね。先生って休憩中もトイレに立たれないから不思議だったんですよ。そうか、先生専用の御手洗があったんですね。」
あゆみ先輩が納得の表情でいたのに対して、さとみさんは困ったような、驚いたような表情で、私を見下ろしていました。
「あゆみちゃん、この子はね、ずっと貴女に憧れていたのよ。私邪魔するつもりはなかったんだけど、もうこの子は私の立派な便器だし、教え子同士が絡み合うのはまずいんじゃないかと先生は考えたのよ。だから、今日を待っていたのよ。あゆみちゃん、この子がほしい。」
「変態はきらいです。」
「そうよね。でもね、女性にこれ以上の忠誠を誓う手段ってないのよ。先生はね、何度もこの子を完全な便器にしてやろうと思ったんだけど、素質が十分なことは分かったから、それは貴女に譲ろうと考えたのよ。」
「変態なんていやです。」
そのときさとみさんが意を決したようにあゆみ先輩に語りかけました。
「先輩、これって運命ですよ。あの日私がハル君に乗ったりしなければ、こんなことにならなかったかもしれませんよね。でもなぜか私はハル君に座っちゃったんです。きっとハル君から女性のお尻に敷かれるオーラが出ていたんですよ。だから、わたしは。」
さやか先生もそれに加勢するようにあゆみ先輩に語りかけました。
「男女の結びつきっていろんな形があると思うの。変態っていうけど、女を力で押さえつけて無理矢理セックスするのって、それこそ異常じゃない。女性の脚がすき、お尻が好きって男の方がまともかもしれないわよ。」
「そうですよ、先輩が要らないなら、私が使っちゃいますよ。さっきごくごく飲んでた。びっくり。」
「あゆみちゃん、先生ね、この子に散々飲ませてきたんだけど、実はね、これほんとよ、食べさせたことなんてないのよ。さっきも言ったけど素質は十分で、いつでも使えるわよ、この子。」
さやか先生が私の顔から腰上げ、3人で私を見下ろしていました。
「ほら、あゆみちゃん、この子待ってるわよ。」
「さあ、先輩どうぞ。」
さやか先生とさとみさんに促され、恐る恐るあゆみ先輩は私の顔をまたぎました。
黒いストッキングの下に真っ白のパンティが見えました。
私は待ち望んだ時に向かって、口を大きく開けてそのときを待っていました。
了