靴のアッパー革についてのあれこれ
今週靴が仕上がった生徒さんの作品を紹介します。
2足同時に作っていた生徒さんが、両方同時に完成いたしました![]()
今回のテーマは「ELASTIC」(ELASTIC とはゴムのことです。)だったのかな。学び方も良いですね。
まずはこちら↓
デザイン : ELASTIC SIDE SHOES(エラスティック・サイド・シューズ)
革 : アザラシの革
製法 : ストーム・ウェルト
ボトム : ゴム底
靴ひもが苦手。。。。という方に履きやすいデザインですね。
当教室では、教室内で革を購入することもできますが(手頃な革から、超高級革まで
)
生徒さん達が自分で革屋さんから購入してきてもOKですので、毎回珍しい革にチャレンジする方もいて
面白いです。
こちらの生徒さんは、毎回様々なエキゾチックレザーを使用していて、私も使用したことがないものが多く
毎回生徒さん達のチョイスが楽しみです![]()
もう一足は 何とも斬新な 紐なしのブーティー。 中にELASTICが入っているデザインです。
デザイン : ELASTIC BOOTS(エラスティック ブーツ)
革 : パネル・ハイド
製法 : スクウェア・ウェスト
ボトム : ゴム底
フィッティングがどうなるんだろう?ということで、実験的に作っていましたが
フィッティングも問題なく履けました![]()
紐がない分、フェーシング部分が広がってしまうのが気になっていたようでしたが、
次回、こういう時の解消法の提案をいくつか授業で紹介しますね。
こちらで使用したアッパーの革は
"PANEL HIDE"(パネル・ハイド) を使用されています。
雨にも強そうで、数年後履きこなした時の風合いも楽しみですね。
パネル・ハイドは元々馬車の幌に使用されていた革で、現在では”鞄”や”革小物”に使用される革です。
ですので、通常靴では使用しない革ですが、靴でも良い感じに仕上がりましたね。
高級靴ではCALF(生後6ヶ月以内の牛革)をメインに使用します。
赤ちゃん牛の革ですので、キメが細かいので表面の艶が良く、革の繊維質も密なので耐久性があり
手触りも滑らかで、伸縮性にも富み靴には最適な素材です。
CALF以外の革で靴を作ることも勿論ありますが、
靴としての耐久性、通気性、伸縮性、見た目の美しさ、ポリッシュとの相性、を考えた上でも
ドレスシューズにはCALFの革が最適!なのですが、
ドレスシューズ以外は、靴の用途も様々ですし、色々な革の風合いを楽しんでみることができますね。
商業的に考えると、キメが荒かったり、シミが多かったり、消えないベインマーク(静脈(vein)の線)
などが多い革は高級靴や既製靴には使いずらいので使用されませんが、
自分で履いて楽しむ分には、全然OK!な革は多いので、
自分で作る特権として、何だって使えますよね。
あまりに硬い革や伸びない革は柔らかくする方法もありますので、
使いたい革があったら、生徒の皆さん相談してくださいね![]()
ちなみに 牛革には以下のようなものがあります。
*CALF LEATHER :
生後6ヶ月以内 高級な靴や鞄に使用されます。
*KIP LEATHER : 生後1年以内
革のサイズが大きく、原皮も厚くなりますので、丈夫です。
*HIDE LEATHER : 2年以上の革
KIPよりもさらに大きく、分厚くなりますのでカジュアルで耐久性の必要なワークブーツなどに適しています。
*STEER HIDE LEATHER : 生後3ヶ月から6ヶ月の間に去勢され、2年以上経った雄牛
かなりがっしりとした大きな革になります。
*COW LEATHER: 出産経験のある雌牛、乳牛。
厚さはありますが、ステアに比べて柔らかめでライダースのジャケットなどに使用されるので有名です。
靴に使用するのはKIPまでが多いので、HIDE以降の大きな革は私は使用したことが無く細かいことは分かりませんが大体こんな感じです。
牛革は肉食後の副産物でありながら、その後も余すことなく丁寧に使用されています。
本当に素晴らしい素材です。感謝🙏
ちなみにAIに聞いてみたところ
世界最古の革製品は、アルメニアの洞窟で発見された紀元前3500年頃の牛革の靴です。 だそうです![]()
5千年以上も牛革を超える靴の素材が発明されていないというのも、何だか凄いことだな〜![]()
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古代人リスペクト!


