一手間掛ける
だんだんと汁物の美味しい季節になってきましたね。
豚汁には砂糖とバターを入れると更に美味しくなるよ。と板前さんから聞いたからやってみた。本当に美味しくなった。
帽子作りにも、ここで一手間アイロンかけると綺麗に仕上がるとか、洋服作りも、しつけ糸で一手間かけておくと綺麗にいくとかってのがあるし、私の本業の靴作りは一手間だらけだ。
見よう見まねで物って作れるけれど、プロとアマの違いはこの『一手間』の違いなんですよね。
『一手間』で凄く違いが出るから、その威力を知ってしまうと、『一手間』って、大変でも面倒でもなくなる。もっと『一手間』かけれないか?って探すようになる。
お教室でも長年通っている生徒さんはどんどん面倒くさがらなくなる。
『とにかく靴を作る』が目的ではなく、『綺麗な靴を作る』に変わってくると、一気に上達します。
一足目は『とにかく靴を作る』が大切。だって、一足目は何がなんだか…が当たり前。工程が200以上もあるし、初めて見る工具を使って、初めてする行為ばかりで1年程かかるわけだから、毎回必死。
で、一足作り終わると、満足感と充実感に包まれながら問題点と反省点が少し見えて、次こそは!って、気合いが入る。
2足目はうろ覚えなりに、流れが分かったから『ここは気を抜けない』『ここは、前回失敗したところだから、慎重に』など、気をつける箇所が分かってきたり、前回何度もやり直して習得できた箇所がスルスル出来るようになって、ちょっと誇らしくなったり、楽しくなったり…
そんな積み重ねが、年々増していきます。1年なんてあっと言う間だから気づくと経験と知識が増えて、腕も上がり目は肥えている。
今年は、知り合いやお母様、奥様や娘さんの靴を作っている人が多く、自分の靴を何足か作って、誰かの為に…って一段階段を上がっています。
最初は皆さん『自分の為』に靴作り始めるのですが、『誰かの為に』と成長して行くのは仕事や人生と同じですね。
開業医をしている生徒さんが、診療所の中に自分の作った靴や工具を並べて小さな『靴ミュージアム』スペースを設けていて、ときどき患者さんがそれを眺めているそうです。
『趣味を持って人生楽しもう!』
ってメッセージが伝わって、とっても素敵だな。と思います。レアで意表を突いて面白いし!
病は気から…ってのも有りますし、気を上げるヒントとして、自分の趣味を楽しみながら患者さんに楽しさのお裾分け…一手間かけていますよね。
暗いニュースばかりでも、楽しい事は沢山あるし、まだまだ知らない楽しい世界も不思議な世界も沢山ある。
何でも面倒くさがらずに『一手間』かけて、出かけたり、調べたり、トレーニングしたり、習い事したり、趣味持ったり…
一手間掛けられる人は一手間掛けて作られた物のように、素敵で美しい人生を送れるんじゃないかな。
物作りにも、自分にも、周りの人にも『一手間』って大切ですね。