革の端っこ | ”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室

革の端っこ

今週のプチ講座は『Closing』(製甲)についてのあれこれ。

 

当教室では、1足目の靴が作り終わると自分の作りたい靴を作ってもらっています。

 

生徒さん達は木型を1から作り始めるか、木型は1足目(こちらで用意した木型)を使いデザインから始める方がほとんどです。どこから初めても良いのですが。

 

1足目はこちらで用意した木型とアッパーを立体にする『底付け』を学んでもらっているので、2足目から靴のデザインや、靴用のポストミシンの使い方、アッパーの革のスカイビング等、新しく学ぶ事が多く出てきます。

 

木型があって、デザインを決めたら型紙(パターン)を作って、CLOSING(製甲)に入ります。

 

CLOSINGはミシンで縫うイメージが強いですが、実際にミシンを使っている時間はそれほどでもなく、ミシンを使う迄の下準備に時間も労力も頭もけっこう使います。

 

良いアッパーとは何かと言いますと、『FLAT』である事です。なるべく段差を無くすこと。アッパーの表面がボコボコガタガタしていては、せっかく綺麗に作り上げた木型の形が浮き上がりません。木型の良さを最大限に浮き上がらせる為にも、底付けの際に工具がなだらかに滑り易くする為にも、『FLAT』になるように心がけます。

 

そこで革を漉くことが重要になってきます。また、芯材を利用し段差を無くすことや、パターン作製の時点で段差を無くす工夫をします。

 

また、革製品は鞄でも小物でも靴でも『EGDE』エッジが大事。革の端っこの処理。エッジを見るとだいたい価格が分かるくらい、エッジの処理で手間ひまと技術が見えてくるので、とっても大事なのです。

 

靴の場合、色んなEDGEがあるのでそれぞれの端っこの処理方法を掘り下げてお話してみようと思います。

 

靴作りが奥深いのは工程の多さだけでなく、歩行に寄り添う人間工学的な面や、歩行に耐えうる耐久性、立体としての美しさへの追求、革という天然素材の特徴を把握し良さを引き出す等、小さな靴の中で本当に多くの技術や知識がぎっしり詰まっているからです。いくら考えてもまだまだ考える事があり、『これで良い』が無い。いつまでも満足出来ない歯痒さと、いつまでも学び続けられる嬉しさがあります。

 

そんな靴づくりの長い道中、小さな花を摘みながら、天候の変化に一喜一憂を感じながら、ゆっくり着実に進んで行きましょう。