INSOLE PART3 | ”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室

INSOLE PART3

 今週から、火曜日、水曜日に一コマづつ教室が増えました。まだ人数が少ないので、広々のんびり。。。今日は天気も良かったから、清々しいスタートでした。

 さて、先週のプチ講座は『insoleの穴開け』。アッパーをつり込む前に、中底にすくい針(オール)で穴を開けていきます。穴の感覚は大体8mm.これ以上間隔を開けると、ウェルトが波打ちし易くなりますし、間隔がこれ以上狭すぎると穴と穴の間隔が狭すぎてウェルトがちぎれ易くなりますので、注意。ただし、爪先は曲線になっているので、穴の延長を辿ってウェルト上の縫い目に達するまでに放射線状に広がっていきますので、大体中底の端が6mm間隔だとウェルト上の縫目が8mmになり、良い塩梅です。

 
 穴開けは内側から外側に向けてすくい針を入れていき、一つ一つ穴を開けてゆくのですが、穴の出口は縫目の土台の一番下の角から出すようにします。土台の上部に穴が空いてしまうと、糸で縫う時、かなり力を入れますので、土台がちぎれてしまうので要注意です。


 すくい針には幅があり、日本だと小、中、大、の3種類売られていますが、選び方は革の厚さと糸の太さで選んでゆきます。革が薄い場合、太い糸で縫うとアッパーに開けた穴が広がり易く、ちぎれてしまいますので、糸を細くします。すくい縫いは単糸を5本で縒って作りますが、薄い革の場合、4本位。あ、余談ですが、0.8mmとか0.6mmとかの厚さを薄い革と私は呼んでいます。私がメンズで使うカーフの革は1.2mm。1.4mmは厚い革で、ブーツにしか殆んど使わないな~。

 革の厚さって、0.1mmの差で凄く変わります。手で触って0.1mm単位の違いは分かるので、(私は触って革の厚さをぴったり当てるの得意中の得意!!ただの自慢話です。笑)
糸の太さを変えないと、かなり糸にやられてしまいます。

 で、すくい針で開けた穴の中に、穴の両端から糸を入れていって縫うのですが、穴に2本の糸がぎゅうぎゅうで入っているのが好ましいです。糸より穴の方が大きければ、穴の中で糸が動き易いので、出来れば穴より糸の方が太くて、糸を通す時に穴を若干こじ開けてゆくと、穴に隙間なく糸がぎっしり入って、しっかり縫えます。

 だから、薄い革の時はそれに見合った糸の太さ&すくい針の大きさを選ぶようにします。

 厚い革の時はその逆しかり。

 本当にね、とてもとても小さな事なのだけれど、小さな事の積み重ねが凄い耐久性を生み、1段も2段も上のクオリティーを生みだします。

 プチ講座では、すくい針の研ぎ方も見せましたが、どれも大切な事。綺麗な穴を作るため、作業を効率的に行うために必須です。

 綺麗に縫うコツ、しっかり作るコツ。『コツ』を教えて下さい!って聞かれますが、『コツ』ってつまりは”理にかなっている事”だと思いますので、そこらへんをね、見よう見まねでやった後、『理にかなっているか?』を自分で考えてみて、納得できるようであれば習得です。自分でちゃんと意味を考え、理を考え、物を作っていけるようになるといいですね。

 『なんだかこの工程は、こんな風にやるもの』だけの覚え方だと、発展していかないですよね。ちゃんと理解する事は何ごとにおいても大切じゃないかと思います。

 製法でも、デザインでも基礎をね、ちゃんと理解していればどんな遊び方もできるけれど、基礎を知らずに応用は出来ないし、基礎のない遊びはただの”おふざけ”。私は遊びまくるの好きだから、『遊び』の本質とは何だろうか?とよく考えるのだけれど、ま、ルールなき遊びはクールじゃないね。最高に遊びを楽しむのに、ルールは必要です。あとね、基礎を踏まえてから遊ばないと、カッコ悪いしね。クールに遊ぶ大人の美学。。。そんな事を靴の中に入れ込んでいきたいですね。