Patience | ”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室

Patience

 土曜日のクラスの生徒さん達、急な『自習』で先週はスミマセンでした。初めての事でしたが、最後にします。お許しを。。。

 展示会でアワアワしてて、ジョンロブの若社長(ジョナサン)の来日が迫ってるのを忘れてて、ジョナサンは来日日程を間違ってて、税関でも色々あって、なんだか二人でアワアワしてましたが、なんとか本日、ロブの仕事手伝いは無事終了。今回は、あまりにタイトなスケジュールで来日の為、教室には来て頂けませんで残念でしたが、来年は是非!

 毎回、ジョナサンとは仕事の合間合間に靴の話のマシンガントークをしていますが、今回は靴のプロポーションについて。

 ジョン ロブ(ロンドン)の場合、靴のデザインやシェープにハウススタイルはない。お客様の足を採寸し、0から木型を作り上げていくので、全ての靴のプロポーションが違う。あえて『ジョン ロブ ロンドンらしさ』と言えるのは、クラシックな”ラウンド・トウ”ってこと位。それもね、木型職人によってラウンド加減が違うから、傍から見て『良い靴履いてるな~』とは分かっても『ロブ ロンドンの靴履いてるな~』とは決して分かるはずはない。というのが、ロブ ロンドンの靴。だから、注文したお客様は世界で1つだけの靴が手に入る。(私のお店も同じことしてます!)

 で、ジョナサンが木型職人であるから言っている訳ではないですが、ロブで一番大事にしているのが『木型(Last)』。木型が足に合わなきゃ、どんなに良い素材を使って、どんなに良い作りをしても意味がない。木型が足に合うことが前提で、その木型を歩行を妨げることなくどこまで美しく形成していくか。が、木型作りの難しい所。作り易い足ってのはあります。が、そのような足にはめったにお目にかかれません。だから、木型作りは奥深くて楽しい。1足1足作る度に、課題が出される感じ。

 お客様が来店されて、採寸する為に靴を脱ぐ瞬間はいつも独特の時間が流れます。ちょっと、いつもより時間がスローモーションな感じ。で、紙の上に足を置いて頂いて、足の輪郭を書きながら、大体の木型のイメージが湧いてくる。土踏まずを書き写して、メジャメントをとって、踵の履き口の部分の細さを手でチェックして、注意する骨をチェックし、指の骨をチェックし、足の筋肉の硬さをチェックし、甲の山の形をチェックし、、、。お客様のオーダーのデザインと照らし合わせてみる。

 ジョナサンも言ってましたが、靴自体を見ても靴の良さって分からない。本人が履いて初めて靴の良さが分かる。掘り下げていくと、『骨』の話なのだけれど、人それぞれの外見の特徴って、結局『骨』。骨は一つの統一された規則みたいなものがあるのか、末端の骨(手、足、頭)は似ている。そして、その末端に見合うようにそれぞれのパーツがバランスよく形成されている(のが、通常)。だから、その足という骨に合わせて作られた靴は、自然とその人にマッチする。だから、決して骨を無視せず、木型のプロポーションを想像し得る最大の良いバランスに持っていくことが出来れば、それが木型づくりの最高の仕事。ってな話をしてたのですが、それをするにはどうするのか?の答えは『努力と忍耐』(笑)。ま、細かいバランスの取り方なども話しましたが。

 今回、ジョナサンの中での流行りなのか?やたらと『Patience』(忍耐)を連呼しておりました。
職人に必要な資質は『Patience』、注文靴屋の経営に大切なのは『Patience』、弟子を育てあげるのに大切なのは『Patience』。だそうです。でも、分かるわ~凄く分かる!!私!!

 でも、年々『Patience』は身についてきて、気づけば技術も経験も一緒についてきている。ま、『Patience』が無ければ、この仕事続けていないだろうし。生徒の皆さま、合言葉は
『Patience』!!!!ですよ。(しつこいか。。。)