ずーと細々 | ”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室

ずーと細々

 今週は靴が仕上がった生徒さん3名。何度も何度も生徒さん達の靴の出産に立ち会っているのですが、何度立ちあっても良いもんだ。皆本当に嬉しそうなんだもの!過程が過酷なだけあって、達成感が凄いんだと思いますし、仕上がったら即自分で履けるもの。自分で作った靴を履けるって、とてつもなく嬉しいものですよね。来週も仕上がりそうな人2名程おりますので、こちらも楽しみ!

 
 前回のブログに書いたけれど、最近沢山の人とお会いしました。で、何度か話題に上ったのが私の今後の抱負。私の抱負は『ずーと細々』。これを言うと皆さん『?』って顔をされる。『会社を大きくするとか、既製靴を初めて名前を広めるとか将来的には考えてますよね?』とかも聞かれますが、『ぜーんぜん考えていませーん』(笑)。大きい事が何故良いのかが、全く分からない。

 思いっきり好きな事が出来る自分の工房持てて、好きな靴作りが出来て、人が細々なりに来てくれて、自分が作った靴の出来不出来はお客様にお受渡しの時に確認できて、笑顔を貰えたりして涙出るほど嬉しくなれて、誰に雇われる事もなく、親会社に搾取されるなんて事もなく、奴隷のように働かされることもなく、誰かを過労死させる事もなく、自分の仕事の責任は自分で背負って、自分の播いた種は自分で始末して、頭使ってボケ防止し、肉体労働で筋肉増やして、弟子たちの成長見れて、巣立つの見れて、お節介なアドバイスなんてのをたまにして、大人な気分味わえて(笑)、これ以上のなにを望めば良いの?

 
 会社を大きくして、自分が作った靴が誰の手に渡ってるのか分からず、従業員が不平を持ってても声が聞こえず、責任転嫁の言い訳ばかり上手くなり、好きな靴作りより経営の事や金勘定の仕事が多くなり。。。なんて事しか想像できない。有名になったり、今以上の収入にはなるかもしれないけれど、それって今の状況と引き換えても欲しいもんか? 別にいらないね~(笑)。

 
 
 アベノミクスだって、蓋を開ければ結局思った通り、潤ったの電気メーカー、自動車業界、輸出企業、証券会社位でしょ。中小企業は大変なまま、か悪化でしょ。バイトや派遣社員は益々過酷な状況になる一方だし、益々格差が広がるばかり。私はそんなサイクルから一抜けたの。OL辞めた時、OLだけじゃなく、くだらない経済優先社会から足を洗ったの。経済優先社会って、結局大量消費をしつづけ、さらなる労働をし続けることでしょ。まるでハムスターが車輪の中を走り続けるように、どこにも行き先なんてないんだよね。ひたすら走って、もっと走れって言われて、走れなくなったら『負け組』とか呼ばれちゃうの。今日の勝者は明日の敗者なのに。生き方に勝ち負けなんてないのに。あるのは自分が幸せかどうかってことだけなんだと思うのだけれど。

 なんかfacebookとか見てて、『人って、本当の幸せ求めるより、他人から幸せに見られることに一生懸命なんだな~』とたまに思うことがある。なんだか、そう感じてしまう私もやさぐれているんだろうけれど、私はね、本当の本物の感覚を感じていたい。不幸を感じたら思いっきり『ふこう~!!』って叫びたいし、嬉しかったら思いっきり笑いたいし、複雑な感情をどうして良いか分からなくなったら『ばか~~!!』って叫ぶ(笑)。周りの目を気にして、自分を損なってたら本末転倒。だから私は『ずーと細々』と好きな仕事を続けていたい。人から見て、『未だにあんな小さな商いしてるのか。』と思われて上等。だって小さいからこそ、そこに不純物の入る隙間はない。他人は何にも助けてくれないし、何を言われても痛くも痒くもない。聞こえたら『ち!』と舌打ちするかもしれないけれど(笑)。

 出来ればね、多くの人が経済優先社会から足を洗ったらいいと思うの。生きているうちに人間の幸福優先社会を見てみたいな。そんなことを今日も細々と考えながら、靴作り。感謝。