愛着ある物 | ”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室

愛着ある物

 先週も暑さの中、生徒さん達は着々と靴作りに励んでいましたね。偉い!!工房のクロージングルームは窓がなく、メインの教室内と別部屋なので、なんだか疎外感があり『牢獄』と名前が付き、クロージングが苦手な人達は『早く出所したい~』『来週こそシャバへ!』と言う人達もいれば、ミシン好きな人は『集中出来て、籠れて、いい感じです~』と言ってくれたりもします。クロージングの工程は、ミシンでひたすら縫うようなイメージがありますが、実際はミシンで革を縫っている時間よりも、縫うまでの下準備の方が仕事量が多いです。革をなるだけフラットに形成する為に、革を漉いたり、エッジの処理をしたり、ビーディングを付けたり、ノリづけしたり。。。そういう下準備をしっかりしておかないと、ミシン目がガタガタしたり、変にしわが入ったりしますので、下準備の方が実際重要な工程です。

 現在教室では”ブーツ”人気は衰えず、殆どブーツしか作ってない生徒もいますし、色々なデザインにチャレンジしています。ジョッパー、サイド ゴア、ダービーブーツ、オックスフォード ブーツなど様々です。その他、ダブルモンクも2名が製作中、女性陣は”オックスフォード”ブームが湧きおこって6名程作っています。女性陣がこんなにオックスフォードに興味を持つというのも私は驚きなのですが、履きたい靴を作る。履きたい靴が履ける。ってのは、素敵な事だと思います。なかなかね、着たい洋服ってのを探すのも一苦労ですし、靴は洋服よりベストなサイズを見つけるのが難しいから尚更です。出来れば洋服も自分の着るものは自分で作りたいのですが、ずいぶん長いこと洋服を作ってないな~。自分で作った洋服もかなり愛着出て、10年以上前に作った洋服も未だに着ています。『欲しい!こんなの着てみたい!』と思い入れを持って作ったし、作りあげるまでの大変さも覚えているので、ところどころシミがついてしまっていても、穴が空くまでは!!(笑)と捨てる気にはなれません。

 
 何かに愛着を持つということは個人個人の感性の問題で、愛着持っている物の良さは、なかなか他人には理解できない事が多々ありますが、そんなところも『物と自分』の秘密な関係というか、自分を知る手がかりのような気がします。少しづつ、愛着の持てる物が手元に増えていって、自分の周りにある物が全て愛着のあるものだけであるのなら、とても質素でとても充実した居心地の良い生活が出来るんじゃないかと思います。物の本質は決して”量”ではないですものね。