針供養 | ”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室

針供養

 本日は久々に浅草へ買い出しに。黒や茶以外の革の靴を作りたい欲望が湧いていて、明るめのネイビーと淡いグリーンのバックスキンや、ネイビーと赤のバッファローカーフ等を購入。20年近く前に真っ赤なエナメルの靴を自分で作り、半年ぐらい気に入って履いていたのですが、ある時突然『なんて派手な靴を履いているのだろう?』と酔いが覚めたかのように思い、その後お蔵入り。。。という経験があったので派手な色の靴は避けていたのですが、今なら履きこなせそうな根拠のない自信が漲り、ちょっと挑戦。自分の靴を作れる時間の余裕は当分ないのですが、時間が出来た時に直ぐ始められるように準備準備。派手だな。。。と思える革はポリッシュに助けて貰う必要性も出てきますので、あれこれ手を加えて楽しめる靴になるでしょう。楽しみ。

 行きつけの革屋さんとは毎回のように数時間の革談議をできて楽しい時間です。今回も『あ~イギリスで使ってたよ!』って革とも対面したりしつつ、ちょっと色の出し方が依然と違っていて、もっとタンニン多くてもいいのにね~とか、漉きは1.2mmにしようか?1.1mmにしようか?。。。0.1mmに迷うのよね~など、革屋さんとだけ話せる会話で話し込む楽しい時間。本当に知識も豊富で、信頼している革屋さんがいて下さることは有難い。革屋さんから、『最近は作る側も知識がなくて。。。ちゃんと教育して下さいよ!』と喝を入れられましたが、生徒さん達にもね、タンナーのブランドで選ぶようなへなちょこな革選でなく、作りたい靴に合った質を見抜くような革選びの仕方なども教えていかなくては。。。と思いました。革は良い革を沢山見ること、沢山触って手で質感を感じ取れること、作ってみて伸び具合、耐久性をしっかり見ることが重要です。ダメな革は扱う必要なし。良い革だけを知って貰えれば、ダメな革は直ぐ分かるようになります。そんな訳で、生徒さん達にも良い革を提供しております。私が学生の時はほんと酷い革しかカレッジになかった事を考えると、贅沢極まりないのですが、良い物を見抜く目を養うには良い物を見るしかないと思います。

 革談議も終わった後『これから浅草寺に針供養にいくのよ!』と言うと『そんなことするタイプには見えないのですが。。。』と言われる(!!)。針供養に向いているタイプがどんなタイプなのかは定かでありませんが、2月8日は針供養の日。昔は家庭の針仕事や、針を扱う業種の人も針を休めて針箱の掃除をする日だったそうです。現在は淡島神社に参拝して感謝と裁縫上達の祈りを込めて豆腐屋こんにゃくに折れた針を刺して供養するそうです。

 本日、浅草寺の淡島堂には普段家庭で見られるお豆腐の6倍程の大きなお豆腐が置いてあり、着物を着た女性たちが折れた針を刺していました。私も折れたミシン針を全部持って、1本だけお豆腐に刺して、残りは箱に入れて参拝してきました。今日は寒い日だった事もあり、参拝することで一段と身の引き締まる感じで、清々しい気分で工房へ戻りました。戻ると直ぐ、確定申告の事やら、不動産関係の事やら事務的な仕事が待ち構えていたのですが、早く靴だけ作っていられる日常に戻りたいです(涙)。来年の針供養の日には、出来るだけ少ない針を持参できるといいな~と思います。生徒の皆さんも針を折らぬようにご協力お願い致します(笑)。