靴の色、色々 | ”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室

靴の色、色々

何かとボロボロの一週間で、ミスも多く『は~』とため息も出ていましたが、生徒さん達にも感染したのか、色々と皆さん落ち込む失敗をしていた人達が今週は多かったです。インソールで踏まずの切り込みを間違えたり、仕上がり間近でやり直しになったり、調子よくアッパーを縫っていたのに、ライニングで乱暴になってしまっていたり、靴の脇から釘が出てきてしまったり。。。。。落ち込みますよね。
でも、失敗して理解が深まります。失敗したからこそ、どうすべきであったのか、どんな意味があったのかが分かるのだと思います。明日の為に今日があったのです。多分そうです。きっと。。。(まだテンション下がり気味。。。)

 そんな、テンション下がった私と生徒さん達とは裏腹に、『見て!スカイビングがこんなに上手に出来ました!私凄いでしょ!』とニコニコ嬉しそうにしている2足目を作っている生徒さんもいて、私も『凄い!凄い!』って拍手しましたが、1足作ったことにより、ナイフの使い方も研ぎ方もとても上達していることが目に見えて、少し自信が出てきたようです。2足目のブーツをクロージングしている生徒さんも、1足目よりミシンが上手くなって、『早く履いたいです!』と意欲に燃えていましたが、アッパーが上手くいくとメイキングも気分上がりますよね。靴作りは『3歩進んで2歩下がる』って水前寺清子の歌のような所がありますが、失敗した人も前進はしていると思います。お互い、頑張りましょうね。テンション低くなった時にも、探せば笑顔の1つや2つ出てきます。前向きに名誉挽回へ向けて、踏ん張りましょう。

 さて、靴の色で時々お客様がとってもお悩みになります。だいたい3足目、4足目のオーダーの時が一番悩むようで、『大川さん、どうしよう。やっぱりさ、次の靴は茶はやめて黒にしとこうかな?あーでも、あの茶色でもグレーのスーツに。。。。』とかなりお悩みのご様子。今までにも同じお悩みの方は何人もいらっしゃいました。時々思いついた時にお電話を下さって『こういう場合どっちの色がベスト?』とか、最近仕上がったスーツの写真をお送り下さって、このスーツにはどの革かな?とご相談されたり。そのたびに、目をつぶってお客様の姿とスーツの感じをイメージし、腕を組んで『う~ん』と私も悩みます。1足目の場合、ほとんどのお客様が革の色を決めて来られるのですが、不思議と工房に入られてお顔を拝見した瞬間、『あ、黒のオックスフォードだな』とか『ダークブラウンのダービーのU-チップだな』とか予測出来てしまう時が多く、かなりの確率で当たります。たまに違う場合は2足目で予測靴をお勧めすると、それに決まったりが多いいです。その人それぞれの醸し出す雰囲気が、靴の雰囲気とマッチします。

 だけれど、3足目、4足目となるとなかなか難しいい。黒はすでにあるし、茶色もある。そんなに明るいライトブラウンは手持ちのスーツとも合わないし、自分自身でもピンとこない。ダークブラウンや赤茶はどちらも欲しいと言えば欲しい。けれど黒がもう一足あってもいいのじゃないか?。。。既製靴のようにその場で履いてみて鏡に移した姿を見ることが出来ないと言うのが、一番の難点。私は自分で靴を作り始める以前は、手持ちの靴は黒い靴がかなり多かったです。黒い靴は何にでも合う、最強の靴だと思ってました。今現在は赤みがかった茶色の靴を一番履きます。黒い靴はしわの変化があっても、基本的に色は変わらないので、艶で楽しむような所があります。靴を磨いたそばから、革屑で汚れる靴職人には黒は勿体ないように感じます。だから茶色の靴が私の荒いライフスタイルの為に痛めつけられて年々変わっていく感じは愛おしいです。私とお客様のライフスタイルは違うので、私の靴の話をしてもしょうがないですね。。。。

 イギリスの正装靴は黒。フランスは茶。日本人の肌の色に一番合う色は藍色で、以前オーダーのスーツ屋さんに、『この色が一番日本人に合う色だって長年言われているんだよ。』と見せて頂いた生地もかなり藍色に近い深い紺色でした。志村ふくみさんのエッセイを読んで以来、本物の藍染の服を死ぬまでに一度は着てみたい!と思っていますが、藍色なら、ピカピカに爪先を光らせた黒か、無骨な感じのMID DARKブラウンか。。。。

 そんな感じで、色選びは永遠に続きそうですが(笑)イギリス的に靴を3足!と言われれば、黒2足と赤茶をダークブラウンのポリッシュでトーンダウンした靴1足。じゃないかな。メンズのスーツ関係&ジェントルマン系の洋書をよくパラパラと読んでいますが(工房内にあるので生徒さん達もどうぞ見てね)、茶色い靴が浮いて見えるのは時々あるけれど、黒い靴が浮いてるのってない。時々サイズの合わない靴をモデルさんが履かされているときは別として。『黒い靴』が持つ包容力は凄いです。2足あると重宝すると思います。4足目はダークブラウンでしょうかね。スウェードでしょうか?ブーツってのもいいですよね。悩むね。。。本当に(笑)人それぞれなんですけれど、こうやって色々考えている時も楽しい時間ですよね。

 何の解決にもなっていないブログでした。ジャンジャン。