雨の日 | ”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室

雨の日


6月4日(金)13:00~17:00 「マイケル・センプル氏よる木型製作講座」を行います。
参加者は木型用のやすり(木工用の粗めのやすり)とドラフト(足の採寸表)を持参して下さい。ソリッドをお持ちの方は忘れずに持ってきて下さい。やすりとドラフトの用意出来ない人は20分程早く教室にお越しくださいませ。

6月5日(土)の授業は通常通りですので、どうぞ宜しく。



 今月は予約されていたお客様がお越しになる時、ほとんど雨でした。一日の中で1時間位しか降ってない時にちょうどご予約時間だったり。。。。だから、雨の日の靴の履き方や、雨に濡れてしまった後の靴のお手入れ方などのご質問を多く頂きました。ハンドソーン ウェルテッド製法の場合、雨が降っても靴の中に雨が入り込んで足が濡れるってことは少なく、ウェルトをしっかり縫いつけてあるので、そういう心配はないのですが、中の接着剤系(ホワイトペーストやエバグリ等)を使っている先芯やフィラーが雨に濡れることにより部分的に接着が剥がれてしまうことがあります。そうなると、革やフィラーや芯材が擦れるようになってしまい、擦れるたびに『キュ、キュ』と革が鳴るようになってしまいます。靴を耳元で折りながら音の出所を探るのですが、先芯から音がする場合は靴に木型を入れなおして、革の先芯の内部にまで水を沁み込ませてハンマーで良く叩いて圧着し、数日乾かすと治ります。ただ、革のシャンクが剥がれてしまったり、フィラー部分だったりすると、外圧で圧着しなおして音が消える場合もありますが、数日は消えていても、再び鳴るようになってしまったりすることがあり、その場合はソールを開けて縫い直さないと。。。です。だから、雨の日は極力雨は避けた方が良いです。

 イギリスビスポーク靴店では”インソール”も”ソール”も”ウェルト”も”ヒール”等のシャンク以外の革材は、制作時にたっぷり水に湿らせてから使用するので、仕上がった靴が雨などに濡れてソールやヒールの面が縮む事もないですし、黒い靴だとアッパーに雨でシミが出来る事もないのですが、音が鳴るようになることにご用心です。雨用に防水布をソールの中に入れて制作させて頂くこともございますが、雨には雨用のゴム底靴などが心配せずに履けて良いかと思います。

 もし、大雨の中革靴を履いてしまった時は、丸めた新聞紙を靴の中に数時間入れて、新聞紙が湿らなくなるまで何度か新聞紙を取り替え、翌日シューツリー(シューキーパー)入れて、しっかり保湿性の高い靴クリームを塗っておくと、形崩れを防げ、革を長持ちさせられます。

 そうそう、最近は生徒さんの中にも、お客様でも、靴磨きにハマっておられる方がだいぶ増えております。市販の靴クリームはほとんどのメーカーの物を試して違いを調べ、クリームとワックスの使用前の乾かし具合や、ミックス加減等を色々試したり、化粧品の顔用クリームの『ヒアルロン酸入り』もかなりいいですよ!なんて教えて貰ったりしますが、皆さん研究熱心で私はタジタジです(笑)。趣味が『靴磨き』という人が増えることは良いことだと思います。あまりお金もかからず、外をほっつき歩く事もなく、奥様も安心ですし(笑)、ぴかぴかな靴で気分良く、靴も長持ちするのは勿論の事、シーンとした玄関で靴を磨いていると半分瞑想状態になって自分と向き合えたり、靴を綺麗にしながら、心も浄化されるような気持ちになり、精神的にも良い事だと個人的には思っています。身の回りの大切な物を大切にケアする事は、物を所有する者に沢山の事を教えてくれることと思います。

 梅雨の間は下駄箱の中も湿気がこもりがちになりますので、湿気取りを入れ替えたり、靴を磨きなおしたり、天気の良い日に陰干ししたり、普段以上のお手入れをして頂けたら靴も喜ぶと思いますので、これからの季節、どうぞ宜しくお願い致します。。。

 下駄箱内もビシッと綺麗に磨かれた靴が、綺麗に並べられていると気分いいですよね。