八方ミシン | ”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室

八方ミシン

 先週のお教室は珍しく風邪をひいてしまい、涙目&マスクで怪しい姿のうえ、テンション落ち落ちでのクラス、大変失礼しました。生徒の皆さんには心配かけてしまい、本当にスミマセンでした。土曜の夜からずーと、足浴して、毒だしスープを飲んで寝て、半身浴して、毒だしスープ飲んで寝て。。。の繰り返しをしていたら、だいぶ良くなって来ました。お見舞いメールも頂いたりして、どうも有難うございました。


 さて、久しぶりの日曜教室を7月12日に開催です。『一日で作れるサンダル教室』です。とりあえず、一日で作れるように一番簡単なデザインで行いますが、基本的なサンダルの底付けの工程を覚えれば、色々なデザインは自分で応用できますので、どうぞ参加して自分のオリジナル・サンダル作りを楽しんでくださいませ。HPの日曜教室のページからお申し込み下さいませ。


 それから、8月9日(日)は『一日で作るベビー靴教室』です。こちらも近いうちに詳細をアップしますので、どうぞご参加下さいませ。


 先週は浅草に資材を調達に行ったついでに、ミシン屋さんへ行って、腕ミシンを見せて貰い『いいよな~、かっこいいな~』と惚れ惚れと眺めていたら、『良かったら縫ってみたら?』と店長さんが言って下さったので、足踏み腕ミシンを踏んでみたら、これが難しい。。。何度も頑張ったけれど逆走してしまい、大笑いで楽しめたのですが、益々欲しくなりました。買っちゃおうかな。。。と悩んでいるときに、『八方ミシンも欲しいのですが、八方はなかなか中古は出ないですものね?』と聞くと、偶然にも丁度あった!しかも、ドイツ製の”adler"が!!かっこいい!!手回しで、腕の部分が日本製のものより長いので、修理はもちろんの事、ロングブーツにも最適。ただ、この八方ミシンは縫い目が粗く、細かいステッチが出来ないのが弱点ですが、私は普段それ程細かいステッチはしないのですし、問題なし。で、一晩考え、翌朝一番で電話してお買い上げ。お店の人曰く、他にも欲しいって人が電話してきたばかりで、危なかったですよ!との事。良かった!だって、5年も探してたのに、全然見つからないの。新品は50万円位するしサイズも大きくて、修理用に欲しかったので、新品は私の工房には合わず、中古を探してたのですが、中古を探している人は多いらしく、お店に入ってもすぐに売れてしまう商品。八方ミシンとは、ミシンの押さえが380度方向へ動き、380度どの方向へも縫えるので、立体の出来上がった靴にも縫える。だから、主に修理用として、タンの取替えや、踵部のカウンターを縫い変えたりも出来るミシン。まだ、注文靴屋を始めて5年弱なので、まだ修理と言えばヒール取替え位の仕事しか来ませんが、踵の革が擦れて取替えが必要になって来るお客様に対応できるようにしておかないと。。。と思っていた矢先でしたので、ラッキーでした。


 注文靴屋は、『どんな修理にも対応できる。』って事も良さの一つ。自分の所で一から作った靴ならば、どんな修理も可能です。ヒールやソール等の底材の修理の次に多い修理は、アッパーの踵部内側のカウンターと呼ばれる革が擦れてきて穴が開いたり、汚くなってきた時のカウンター取替えと、タンは靴紐が擦れる為に擦れて弱くなってきたり、履くときにタンを引っ張っていると伸びてきたり、よれてきたりしたものを取り替えたり、アッパーのステッチが弱くなって切れたりした時に縫い直したり。。。等があります。そんな時は八方ミシンが大活躍です。


 他にも、私はなるべく、お客様がお持ちの靴も捨てなくて済むように、足に合っていない手持ちの靴を出来るだけ履き易いように修正することも行っています。甲の押さえが足りなくて緩い靴には、厚めのタンを付け替えて、甲に締め付けが効く様に修正したりも時々しますので、八方ミシンがあると助かります。今までは自分で作った工具(ミシン針に柄をつけたもの)を使い手縫いでミシン縫いする(!!)という、涙ぐましい技を使っていたので(笑)、この技から卒業できるのが何よりも嬉しい!!


 購入した八方ミシンは『手回し』なので、右手でクルクル取っ手を回転しながら、左手で靴を動かしながら縫うっていう作業もかなり楽しいです。工房に私の玩具がまた増えた。。。って感じです(笑)。生徒さん達も今週教室に来たら、使ってみてね。かなり厚い革も太い糸で楽々縫えますので、ベルトを作りたい人も大歓迎です。そうそう、イギリスでは靴と同じ革でベルトをオーダーされるお客様も多かったです。今のところ、私が気に入るベルト用のバックルがまだ見つからなくて、積極的にはベルトは作っていませんが、たまにお客様がお持ちのベルトがサイズに合わなくて。。。または、革が気に入らなくて。。バックルはこれを使用してベルトを作ってくれないか?とご注文された場合のみベルトも作っていますが、靴とベルトが同じ革だと、かなりお洒落ですよね。さらに言うと、ビスポーク・ベルトは穴が『一つ』ってのが、紳士にはたまらないそうです(笑)。ビスポーク靴も自分の足以外には合わないけれど、ビスポーク・ベルトも自分の腰以外には合わないってのが、良いのでしょうね。


 以前、お洒落なイギリス紳士が、オーダーしたスーツにあわせて靴をオーダーし、その靴と同じ革で、スーツのズボンに合わせてベルトをオーダーするので、スーツと靴とベルトの数は同じだけ持ってます。と言ってて、びっくりしたことがある。ウエストのサイズは変わらなくても、ベルトの穴はズボンの腰の位置や素材の厚さによっても変わるから、オーダー・ベルトは穴が一つってのが美しいので、自分の体格管理にも見た目にも、自己満足にも(笑)良いから。と話していました。私が驚きながら、『男の美学はそこまで行きますか!』と言うと、『本当はカバンも同じ数だけ、靴の革と同じもので揃えたいけれど、カバンは中身の出し入れを毎日するのが面倒なのでやめた。』と言ってました(笑)。


  かなり贅沢な話ですが、生徒の皆さんは自分で靴を作ったついでに、ベルトも作ってみてはいかがでしょうか?ベルト作りも教えますよ。ベルトは靴程は深くないけれど、革に合わせて芯を入れるもの、入れないもの、ハンドステッチするもの、ミシン縫いのもの、などあります。基本のベルト・パターンを覚えれば、試行錯誤で色んな応用が出来ますので、面白いかもね。