靴用のミシン | ”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室

靴用のミシン

この2週間はめまぐるしい日々が続いておりましたが、今週のお教室で見慣れた顔の生徒さん達とワイワイ靴作りが出来てほっとしました。見慣れた顔と話しなれた馬鹿話。。。これがないと一週間が終わった気がしません(笑)。


 今週は”ミシン”を買おうか迷っている生徒さんがいて、ネットで見つけたミシンの画像を私の携帯に何度も『これ、どうだろう?』って送ってくるので、『この忙しい時になんだよ~』と思いつつも(笑)、いちいち携帯からパソコンにデーター飛ばして、『どれどれ?』ってチェックしていたら、なんだか私まで欲しくなってきていて、金曜の夜のクラスに来ている某有名高級靴屋のクローザー(製甲士)さんが、靴用ミシン『18種』についての良さについて教えてくれた。説明がとても分かり易く、単純な私は急に開眼し『18種ほしい!欲しい!』熱に浮かされています。(笑)


 靴用のミシンは、私の工房でも使っている”ポスト・ミシン”と腕ミシンと言われる”17種”と”18種”というミシンがあります。ポスト・ミシンは針の下にたてに筒状の土台があり、中に下糸のボビンが入るようになっているもので、腕ミシンは横に筒状の土台が付いているミシン。


 私はイギリスでもポストを使っていたのですが、私のクローザーの師匠は”ポスト”と腕ミシンの両方を持っていて、師匠の”ポスト・ミシン”はほとんど物置として機能していて(笑)、腕ミシンを仕事で使っていました。イギリスのNO,1クローザーと言われて尊敬されていた師匠でもあるし、とっても特別なミシンに思えてもいたのですが、ミシンの違いを聞くと『父親が使っていた物だから使っている』というだけの返答で、彼からは違いは教えて貰えず、他のクローザーに聞くと、皆『ポストの方が扱い易いよ。』と教えてくれるだけで、日本に来てから人に質問しても『腕ミシンは値段が安いが扱い難い、やっぱ、ポストでしょ!』と、口を揃えて言うので、腕ミシンを使ったことのない私としては、あまり深くも考えずにポストを購入。現在に至る。が、昔の綺麗な靴を見るにつけ縫い目の締りの良さが気になっていた。ミシンの調整が良くても、なんか私の縫い目とは違う。単に腕と経験の違いか?と思っていたが、生徒のプロ・クローザーさんからの話によると、文面で説明するのは難しいのですが、ポストは送りがクルクリ回るのですが、腕ミシンはカクンカクンと動くので、糸を上下からしっかり引く力が強く働くので、縫い目がきつく締りがきくそうです。ただ、やっぱり慣れるまでには腕ミシンの方が時間が掛かるようですが、じゃじゃ馬の方が気が合う私としては是非とも使いこなしてみたいと腕が疼きます。あ~憧れの腕ミシン”18種”。。。。


 ま、工房は置き場ももうないし、家に置こうかな?旦那からのヒンシュクの目がリアルに想像できる。。。あ”~


 縫い目は、仕事で革を縫っているような人で、目がよっぽど肥えていないと違いは分からないと思いますが、いったん違いを知ってしまうとね、ほんのちょっとの違いでも、自分が良いと思えるほうに進みたいものね。


 ちなみに、足踏みが欲しい。現在使っているのは電子モーターなので、音も静かで制御し易い。が、足の感覚で自分のリズムで縫える足踏みのミシンって、とっても魅力的。全て自分の体の感覚で靴作りが出来る。機械やコンピューターの凄さも分かるけれど、それ以上に、人間の感覚の凄さってあるものね。鍛えれば鍛えるほど向上するから、未知なる領域に踏み込める気がする。停電でも、電気の通っていない山奥でも靴作りが出来る!(どんなシチュエーションだ?)


 こんなに腕ミシンに対する熱い思いを書いたけれど、まだ私は使ったことがないので、実際の所はまだ分かりませんって事を最後に強調しておきます。だから、私が腕ミシンを買う前に、ブログをお読みの方々が腕ミシンを購入し、売り切れになったり、値段が上がらないように、どうぞ宜しくお願いいたします。生徒さんから『どのミシンがいい?』って聞かれたら、当分は『ポストでしょ!使い易いよ~。』 って言いますよ(笑)。もちろん、うそじゃないし。S君!ポストだよ。(笑)