シューツリー
今月は見るからに難しそうな足のお客様達の靴のフィッティングが多いのですが、順調に仕事は進み、とてもワクワクと楽しく勉強でき、本当に嬉しい。チェレンジできる機会を与えて頂ける事は何よりも有難いことです。頭を捻って絞って捏ね繰り回して、手を使って思いと考えを形に出来るということは、心の深い所からふわ~とした喜びが湧き上がってきますし、お客様の喜んだ笑顔を見れることも仕事に対する原動力になります。もっともっと勉強したい!少しづつ経験と知識が蓄えられていくことは快感でもあります。
本日は接客以外の時間はシューツリー作り。シューツリーは別名『シューキーパー』とも言いますが、役割は靴の形崩れを防ぎ、しわを伸ばし、靴の湿気を取り除き、靴の寿命を延ばします。既製の物も多く売られていますが、木型から靴を作っていますので、シューツリーも靴に合わせて削りだしています。そうしないと、役割を果たせないだけでなく、靴に合わないシューツリーを入れしまうと、靴のサイズが変わってしまったり、歪んでしまうような恐ろしい事も起きかねません。イギリスで働いていた会社では、木型のコピーとシューツリーを専属で行っている子会社がありましたので、そちらに靴を渡すと靴にシューツリーが入ってお店に届くので店内の職人が作ることはなかったのですが、今は自分で作らなくてはならないのですが、シューツリー作りもなかなか楽しいです。現在は既製のブナ材のシューツリーを靴に合うようにヤスリで削ったあと、サンド・ペーパーで整えて、最後に軽くフィラーワックスをバフ機につけて綺麗に色を馴染ませて仕上げています。
シューツリーと木型を同じ物だと思っている方がたまにおりますが、全く別物で、サイズも全く違います。木型は靴を作るのに必要ですが、シューツリーを作るには靴がないと作れません。しわを伸ばす為に適度なテンションをかけてあげる部分、革が伸び過ぎないように形を整えるように、出し入れし易いように、靴に入れたり出したりしながら、慎重に削っていきます。
時々、『昔買った既製靴に合うシューツリーがない!』とお客様から頼まれて作ることもありますが、大抵の場合、お客様の持っているシューツリーにちょっと手を加えて、合わせて差し上げています。それから、もう一つシューツリーの便利な使い方としては、靴の革を伸ばすストレッチャー代わりにすることも出来ます。靴の足に当たって痛い部分の革を押し出すように、シューツリーに消しゴム等をテープでくっつけて靴の中に入れておくと、靴を休ませている間に革が伸びて足が痛くなくなる。結構伸ばさなくてはならない場合、『レザーストレッチャー・スプレー』など(東急ハンズなどに売ってます)を伸ばしたい部分にだけ吹き付けておけば、結構伸びます。
でも、くれぐれも伸ばす場所を間違えないことと、伸ばし過ぎない様に。。。。ジョイントの部分を伸ばし過ぎると足が前に滑って、余計足に合わなくなってしまいますので、親指や小指の横が痛い場合などにお勧めです。プチ・職人体験をお試し下さいませ。(笑)