Bootees
蒸し暑い残暑。。。今年はいきなりの大雨や雷が数日続き、日本は熱帯雨林か?って感じですが、何とか元気に靴作りを楽しんでおります。
このところ、ブーツを作っている生徒さんが5人位いますし、私のお客様からもブーツのオーダーが増えて来ています。生徒さん達の場合、履けるのは来年の秋か?って感じですが、お客様のは何とか年内に皆さんに履いて頂けるよう、気合を入れてます。
ブーツ、ブーツと言ってますが、正確にはブーツの長さが6インチ(約15センチ)以下のものはブーティー(Bootee)と呼び、ライディング・ブーツのようなひざ下までのものをLONG BOOTSと呼びます。それらをひっくるめてBOOTSと呼んでいます。
日本では履く人はいないと思いますが、イギリスではLONG BOOTSの基本的デザインがかなりありまして、英国紳士はPTOに合わせて、履き分けているのですが、ミリタリー・ウェリングトン ブーツ(軍人用)、ステップ・イン ブーツ(スポッと履ける、ジップも紐もない、長靴のようなブーツ)、グリーンリー ブーツ(ホールカットの外羽式で上部に3本のバックル付ストラップのついているブーツ)、オックスフォード・フィールド ブーツ、ナビカット・フィールド ブーツ、バトル・ブーツ(外羽式のグリーンリー・ブーツ)、ライディング・ブーツ(乗馬用)など。どれも機能性に優れたデザインですが、現代社会ではどうなんでしょ?って感じのクラシックスタイル。ライディング ブーツは日本でも乗馬をされる方には必要なブーツだと思いますが、ひざ下までの全部のフィッティングが重要ですので、かなりパターンは難しいですし、革もかなり硬いWAX CALFを使うので職人泣かせのスタイルです。特に、丈の長さが馬の乗り心地にも左右するので、ロブの店内には馬の高さのサドルが用意されていて、フィッティングの時にお客様が店内のそのサドルにまたがって、丈の長さをチェックします。初めてお客さまがそのサドルにまたがっているのを見たときは、目が釘付けになっちゃいました。
で、生徒さんやお客様のオーダーは殆どBOOTEESなのですが、こちらは サイド・エラスティック、ジップ・ブーティー、ジョッパー、ハイロウ、ダービー、オックスフォード等のブーティーがあります。丈は11センチから15センチ位が、紐の数もそれ程多くならないし、履きやすい長さだと思います。もちろん、好きな長さにいくらでもできますけれど、靴、特にブーツは履きづらいと本当に出番がどんどん少なくなってしまうので、できるだけ脱ぎ履きし易いものを提供していきたいので、デザインをする時そういった所に気を使います。私は個人的にサイド・エラスティックがお気に入りで愛用しておりますが、60年代のビートルズが足首にぴたっとしたものを履いていて、どうしても同じものが欲しくて作ったのですが、あまりにぴったりしていて見た目は最高なのですが、履くときに足首のところで靴下止まってしまい、足入れをした後も、靴下が足の先にピター!!ときつく伸びきった状態で、うっ血するかと思った程。ちゃんと心地よく履けるまでにゴムが伸びてくれるまで半年はかかった。。。(涙)
一番楽で、履く回数が多いのはインサイドにジップが付いている、ヨーコ・オノ仕様(笑)のブーツです。かなり履き続けているので、ヒールを何回取り替えたことか。。。。今年も活躍することでしょう。
ブーツはデザイン的にのっぺりしやすいので、ストレート・キャップやウィンク・キャップがあると靴と同じ感覚で履けるので、丈とトウ・シェープのバランス次第でどんな雰囲気にもなるし、ビシッとスーツを着て足を組んだとき、すそからブーツのデザインの美しさがチラ見えするのは、なんともセクシーです。明らかに、靴下の上からすね毛が見えるのより100倍はエレガントです。(笑)
そんな訳で、この秋から冬にかけてはブーツ作りに没頭しま~す。ワクワクです。生徒の皆さんも、憧れのかっこよいブーツ作りをがんばろう!