スウェード
今日は新しく靴箱のデザインを決めるので靴箱屋さんと素材、色、大きさ等を相談。靴箱に関しては色々悩んでいまして、しかも悩みは『靴箱は果たして必要なものか?』という、存在そのものに対する疑問。今までは、特製のシュー・バックに入れてお受け渡しをしていました。その方が、持ち帰るのにかさばらないし、旅行等で靴を持ち運ぶ時にもシューバックは使えるし、以前コラボレーションをしていた会社が靴箱を作ってくれましたが、お客さんの方で「靴箱は要りません」とおっしゃる方が多かったですし。でも、最近売りに出ているマンションのチラシの間取りを見ていたら、”ウォーク イン クローゼット”が付いているのが多い。イギリスでもこの衣類の収納部屋は結構あって、友人宅のを見せてもらったとき、衣類のスペースの横に靴箱がダー!!と並んでいて、数十足の靴が綺麗に1足づつ靴箱に収まって並んでいた事を思い出し、靴箱を必要な人も増えてくるのかな?と思いまして、製作することに。私自身は、『靴箱は要らない派』なのですが。。。でも、今日靴箱屋さんとデザインを決めたら、出来上がるの楽しみになりました。シューバックの色とあわせて、かなり良い感じになりそう。シューバックの方もデザインも素材も変えて、リニューアルするので、サンプル製作中で、出来上がりが本当に楽しみ!!
その後、向島にある革屋さんへ行ってきたのですが、こげ茶色の素晴らしいスウェードを見せてもらいました。イギリスで働いていた時に使っていたものと同じもので『懐かしい~!!』って嬉しくなってしまいました。毛足が長くて、厚めで、柔らかいのにこしがあり、手触りはベルベットのよう。懐かしさとさわり心地のよさで、ずーとナデナデしてました。(笑)良い革を見ると、本当に顔がにやけます。最高のマグロを仕入れたお寿司屋さんもきっと同じ”にやけ顔”をするのではないかな?
良いスウェードってなかなか、ない。本日見た革のような素晴らしい革を使った事があるだけに、他の革を見せられても手が伸びない。しかし、値段が。。。。ボックス・カーフより高価でした。う~ん悩む。とりあえず、本日はカーフを購入しに出かけたのでひとまず保留にしたのですが、革屋さんを出てからずーとスウェードのことが頭から離れない。
私はスウェードの靴を2足持っていますが、履く機会が難しい。春夏はスウェードの質感が暑苦しいので履けない。雨の日はしみが恐ろしくて、小雨でも履けない。汚れが付きやすいので、人ごみに出るときは足を踏まれて汚れる可能性があるので履けない。などと考えてしまって、自分で靴を作っている間は『早く履きた~い』とウキウキしてたのですが、2足とも作り終わってから、履いて外へ出かけるまでに1年以上かかった。びくびくしながら履き始めたら、思いのほか小雨でも大丈夫だったし、人ごみで足を踏まれる事もなかった(笑)。それ以来、冬には大変重宝している。黒のサイドゴア・ブーツとベージュのハイ・ロウ ブーツなのですが、履き始めて数年経ちますが、革もかっちり、しっかりしている。革の質が良くないと、スウェードは”くた~”として、履きじわも深く、安っぽく入る。カジュアルなデザインならいいけれど、仕立ての良いスーツに合わせるスウェード靴は、何よりも革の質が重要だ。平均的スウェードと良質なスウェードの格差は大きい。だからこそ、良質なスウェードに惹かれる。あ~、時間さえあったら、自分用のスウェードの短靴を作るのにな~。あの革で。。。。