仮縫い
今日は暑さの為とワールドカップを見続けて寝不足。。と言う生徒さん達でなんだか『ボー』としてうつろな目をしていた人が多く、ちょっと怖かったですが(笑)、私も目の下にしっかりクマを作り、『ユキさんなんだかやつれていますね』と言われました。なんか、この状態が普通になってきつつありますが。(とほほ)
今週は金曜日に1足仕上がった生徒さんがいて、本当に嬉しそうだった!!靴にSOCK(中敷)を入れた後、我が子をあやすように大事に大事にポリッシングして、ぴかぴかに磨いていました。彼の笑顔もきらきらしていて、私もとても嬉しくなりました。お教室をしていてこの瞬間が一番嬉しい!!二足目は木型作りから始めるのでがんばってね。
さて、最近話題に出てくる『仮縫い』。木型を作り終わって、仮フィッティングを終わった人が数人出てきていまして、全員が『これ捨てられな~い』と言っております。解る。気持ちは解る。だって一生懸命作ったものね。仮縫いと言えども、そこらの靴屋の靴と比べたって劣らない仕上がり。。。。でも底はコルク。履けません。でも、皆さん良く工夫して、仮縫いのすくい縫いまでしたものに、ソールをセメント方式同様に接着して履けるようにしてました。その執念に敬礼です。
私はお客様の仮縫いの靴って溜まる一方で、なかなか捨てられない。金曜日にリーガルのフルオーダーの職人横山君が遊びに来てくれて、その事を話すと『はじめは捨てられなかったけれど、慣れました』とのこと。そうよね。慣れるのよね、人間って。私も引越しを期にダンボールにぎっしり詰まっている物を捨てよう。。。なんだか、悲しい。そうそう、横山君は若いのにすごい情熱と探究心を持ち、靴・靴・靴・・・・・のお人。話していても面白いし、ギターも弾くし、バイク好きも私と同じだし、彼の10年後20年後もすごく楽しみ。絶対死ぬまで靴を作り続けている人だ。私に刺激を与えてくれる人の1人です。
さて、仮縫いに話を戻しましょう。靴をオーダーした事のない人には『仮縫い』って今ひとつピンと来ないのでは。もちろん、ブランドによってやり方はさまざまですが、足の採寸表を元に作った木型のフィッティング具合を見る工程です。アッパーは仮縫いの時に本番の時と同じものを使うブランドもありますが、私はフィッティングがしっかり合ってから、本番用のアッパーを作り、仮縫いの時は同じ素材の傷などあるものか、質を数段落としたカーフを使ってアッパーを作り、先芯、月型も入れて、ウェルトはつけないで、すくい縫いをした後、(すくい縫いをこの時しないと、テンションがかからない為に本番とのフィッティングが違ってきますので、しっかり手縫いでやってます。)コルクで詰め物をし、コルクのソール&ヒールをつけます。で、これを履いていただいて、もっと〆られる部分、緩める部分の情報を得ます。
ちゃんと靴の形をした、靴でないもの。捨てる時、お寺に持っていって供養しつつ焼いてもらおうかな?貧乏性のもったいない病。私だけでなく、生徒さんの中にも多いです。でも、この気持ち大事ですよね。