百匹目の猿 | ”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室

百匹目の猿

今週は2名の生徒さんが1足目の靴を仕上げました。(拍手!)今日は嬉しそうに出来立ての靴をピカピカに磨いている姿を見て、ほっとすると共に私も嬉しさが込み上げてきました。これから靴を履きこんでいってくださいね。次は楽しい(?)修理が待っています!


 

 今日の午前中のクラスでも話しましたが、『百匹目の猿現象」と言う興味深い現象がありますので、今日はそれを書きます。(長くなりそうですが、、、)以下に書くことは『百匹目の猿』船井幸雄 著書 サンマーク出版 の中から、簡単にまとめてみます。興味のある方はとても面白い本ですので、どうぞ読んでみてください。(船井幸雄の本は楽観的すぎ、腹の立つ文章も多いいですが(笑)、テーマはいつも面白いです。)


 1950年に京都大学霊長類研究所の研究者達が、宮崎県の幸島の猿にサツマイモの餌付けをはじめ2年後に成功し、3年目には1歳半のメス猿が芋の泥を川で洗って食べ始めました。このメス猿の行動はやがて若い猿や母親猿に真似られ、7年後には20匹中15匹が川で洗って食べるようになりました。ところが、12歳以上のオス猿は群れに定着してもイモ洗いをしませんでした。(ボス的立場の男性ほど新しい流れに抵抗するのは人間も猿も同じようです。)その後、川の水が枯れたこともあり、猿達は海水で芋を洗うようにまりました。海水の塩分が美味しくしたのか、猿達は一口食べるごとに海水につけて食べるように変化していきました。そんなある時、大分県の高崎山の猿達の中にも水で芋を洗う猿達がいるのを発見しました。これは、幸島の猿達の芋洗いが定着した後ですが、幸島の猿達とは何の関係も無い猿達です。この猿の芋洗い現象が遠く離れた幸島から、高崎山へ伝わった現象をアメリカの科学者ライアル・ワトソンが『生命潮流』の中で『百匹目の猿現象』と名づけ発表しました。その後欧米の生物学者や物理学者、数学者、哲学者達の間で激論と検証の末、『百匹目の猿現象』は間違いなく正しい現象だとされました。


 で一体『百匹目の猿現象』とは何かと言うと、ある行為をする固体の数が一定量に達すると、その行為はその集団だけにとどまらず、距離や空間を越えて広がっていくという生物にみられる不思議な現象があると言うことです。百匹という数字はそのきっかけとなる一定量を便宜的に数値化したものですが、誰かがどこかで何かよい事をはじめると、それは集団内で必ずまねされます。そのまねが一定のパーセンテージに達すると、遠く離れたところでも同じ現象が始まり、社会全体に浸透していくと言うメカニズムがあるということです。百人の人が意識を変え、知恵を持ち、行動していけば日本や世界を変えられます。その世界変革を促すメカニズムの基本現象なのです。だから、世の中を良い方向へ変革するのに肝心なのは良いと思う事を誰かが一刻も早く始めることです。人より早く気づいた人が自ら先行するマイノリティー、つまり百匹の猿の中の一匹目になるべく努めればよいとこの本の中では言っています。


 偶然の一致と呼ばれるものや、シンクロニシティーなどは現在では『不思議』ですが、科学で解明される日も近いようです。なんか、希望が出てくるでしょ!暗いニュースが多すぎて、世界の貧困、戦争問題を考えると悲観視ばかりしてしまいますが、希望はいつでもあるのです。


 さて、5月3日に日比谷公会堂で”とめよう「戦争をする国」づくり、生かそう9条のちから 憲法集会”が開催されます。開場12時半、開会1時半から。(参加は無料)集会後は日比谷公会堂から銀座へのパレードになります。憲法改悪のための国民投票なんか絶対いらないぞ!と思う方は是非参加してみてはいかがでしょう?

 

 なが~くなりましたが、お付き合いありがとうございました。