靴を綺麗に作るには パート5 インソール2 | ”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室

靴を綺麗に作るには パート5 インソール2

昨夜は「勉強会」でした。一ヶ月がやけに早く感じます。今回のテーマは「底付けの製法」について。底付けの種類はかなり色々あるのですが、名前が職人同士でも今ひとつわかっていなかったり、名前と実物がそれぞれ違ったり。。。。「PUMP」の製法を誰も知らないようでしたので、黒板を使って説明しようと試みましたが、実物で見せないと理解不能。。とのこと。実際に縫えば難しくはないが、どうも説明が下手なのも手伝って。。。ちなみに「PUMP」はウェルトを使わないで底付けする方法。オペラ・パンプスや室内用革底スリッパ(主にベルベットに刺繍を施した物)やレディースの靴に使われる製法。私も長らく作っていないので、皆さんに見せながら、無駄話ばかりしていないで、作ってみようかな~。


 底付けの製法も、しっかり名前を確定したほうが良さそうです。雑誌等で製法の名前が間違ったまま一人歩きしている物が多いので、困ります。それから、見た目だけ真似て作っている場合が多いようです。それぞれの製法には「意味」があって形が形成されているのですが、ほとんど「意味」が無視されていたり、知られていなかったりで、「ただ面倒」な製法。。。なんて事になっていることもあり、長い年月をかけて知恵を寄せ合い作られた製法が、ただの装飾になってしまっては靴職人の先輩方に申し訳が立たない。。。。とも思います。靴作りはまだまだ奥が深いです。


 毎回思いますが、勉強会のメンバーは皆さん勤勉で、本当に良い刺激を受けます。職場を退職してから叱ってくれる人も、「ナンだよ、この出来は!」と、けなしてくれる人もいないのは寂しいです。ロブではお互い罵りあったり、褒めあったり、喧嘩しあったり。同業の人間に、「がつん!」と言われるのは「ありがたいこと」なのだと、しみじみ思います。


 さて、今日のタイトル「インソール パート2」。パート1で、インソールのつり込みが終わり、木型の周りの釘を全部取り、エッジを90度にナイフでカットしていきます。まず、土踏まず部分以外を丁寧に。インソールは木型の底部の形そのまま。角度はきっちり90度。土踏まず部は左右のラインが同じになるように、ボールペンでマークをつけてから、丁寧に。くれぐれも切り過ぎないように。エッジが90度になっているか、なっていないかで、出来上がりのラインが変わってきます。しっかりと!


 インソールの形が出来たら、インソールのエッジから5ミリ(スタイルや製法によって違いますが、ここでは初心者用、スクウェア・ウェイスト用に)内側にラインをヒール部までペンで書き、そのライン上にナイフを深さ2ミリ位入れてからそのカットした部分に、マイナスのドライバーを入れて溝を作り、その溝から外側を90度に切り取ります。(日本製のやり方は角を45度位落とします)アッパーをつり込みした後ここにウェルトの端が乗っかるので、ここが波打っていると、ウェルトが波打つ結果になり、ウェルトが波打つとソールが波打つ結果になります。ですから、フラットになるように綺麗にカットし、ガラスやラスプでしっかり整えて。



 次に90度に落としたラインから約1センチ内側にもラインを引き、その上から45度位の角度で内側にナイフをいれてカットしていきます。カットした部分はドライバーなどで立ち上げて起こし、起こした革を、今とは反対側からナイフを入れてカットしていき、溝を作ります。


 あ~解ります?ここまで書いて、かなり神経疲れました。やっぱり言葉で説明するのって大変。今日はここまで。本当に疲れた。これから、アッパーのハンドステッチしなくちゃならないのに。。。。靴作るより疲れた。。。