仕事 | ”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室

仕事

 前回の THINK2 のコメントに出てきた本多勝一氏は「貧困なる精神」を連載されていますが、考えさせられます。他に私はロバート・キャパやユージン・スミスなどのフォトジャーナリストにかなり刺激を受けてきたので、日本のフォトジャーナル月刊誌、広河隆一の編集する「DAYS JAPAN」などは、世界の現状をよりリアルに見る事が出来るように思います。。平和な世の中あっての「楽しい靴作り」。罪のない人々を殺す軍隊の軍靴なんかはこの世から消えて欲しい。


 さて、靴の話に戻ります。今日は親友の靴職人Y氏のワークショップに顔を出し、彼と彼のスタッフと妄想話に盛り上がった。靴を作っていると毎日数時間うつむいて手元を見つめて仕事をするので、自然と自分のうちにこもり、さまざまな妄想が浮かんでくる。今日聞いた二人の妄想は大概、ひょんなことから「うひょうひょ」または「うはうは」な生活を手に入れた場合の妄想だそう。私は「うひょうひょ」だとか「うはうは」が解らなくて、聞き返すと「例えば、新聞読んでて『あーこの株買っとこ~』と百万円分の株をポンと買うとか。。。」だそう。かなり経済的な鬱憤がたまっているようです。本当に靴職人に会うといつもお金に対する愚痴が出てくるな~。という私もそうだけれど。


 「あまり夢のないことばかり言わないでくださいよ~」と言われるのだけれど、靴を作りって他に愚痴ってこれといってない。しいて言えば、靴作りに完璧ってないので、難し過ぎることぐらい。

 イギリスでの仕事中は、ほとんどヘッドホンして好きな音楽聴いてたか、、口と手を同時に動かして職人仲間と一日中話し込んだり、黙々と手を動かしながら、人に邪魔されずに妄想三昧ってのが、ワークスタイルでした。のんきすぎたな~。


 私は結構すき放題な事して生きてきました。高校卒業して、親と学校から半強制的に短大に行かされたが、短大などほとんど行かず、音楽に明け暮れていました。私はスカバンドのメンバーでコルネット(トランペットの小さいの)を吹いていました。下北沢に当時あった「zoo」というナイトクラブのお抱えバンドでインディーズからとエピック・ソニーからレコードも出ました。週に最低1回はライブが東京、横浜を中心に地方へも行ってました。gigや練習のない日は、ナイトクラブとライブハウス、パンクス・バーに入り浸って、とにかく夜遊びが私のすべてでしたが、バンドでは生活できるほどの収入はないので、短大卒業後音楽の次に好きな「靴」の会社に就職。その後、夜遊びもバンドも24歳になるまで、このペースで続いてましたので、数年間睡眠時間平均3時間くらいでした。


 ところが24歳になって、ふとすべてが嫌になり人生を一からやり直すつもりで、イギリス行きを勝手に決定。それには多額の費用が必要でした。今までの給料は夜遊びとコレクションのレコード(それと、モゲワークショップで靴作り!)にすべて費やしていたので、貯金は微々たるもので、私の人生で最もつらい「好きでもない仕事をお金のためにする2年間」が始まったのでした。


 似合わぬ制服を着て派遣会社からさまざまな会社へ派遣され、寂れたデパートの一角で水着の販売をしたり、電話での家庭教師勧誘のバイト(これは、最低で精神的に荒んだ。。)牛丼屋でウェートレス(これは一週間持たなかった)。今まで、遊び呆けていた罰として当然なのかもしれないが、精神的にも肉体的にもぼろぼろでロンドンに着いた時は天国のように感じました。は~昔を振り返ると、好きなことをして生活が出来る自分は幸せだなー。愚痴など言うとバチが当たりますね。


 しかし、本当に夢はかなうものですよ。夢の実現の仕方は二つ。「諦めない」「目標に向かって行動する」これのみだと断言できますね。グッド ラック!