なんでこうなっちゃったんだろう


この一言、この場面は10年以上経った今でも私の記憶に鮮明に残っています


まだ新人と呼ばれる頃

私はAさんの受け持ちになりました

Aさんは旦那さんと2人暮らし

ご家族も遠方のため

面会にはご主人が毎日欠かさずいらっしゃってました

Aさんにもご主人にも軽い認知症がありました

面会にくるとご主人は何を話すでもなくAさんのベットサイドで座り

Aさんは

ほんとお父さんはダメなのよー

なんて言ったりして

ご主人も

てへへ

と笑い

微笑ましい優しい雰囲気の2人でした照れ


私は毎日欠かさず面会に来るご主人に

自分が担当ナースであることを覚えてもらえるよう会えばお話し、Aさんの様子も伝えていました。


なかなか私の名前と顔が一致しない日々でしたが、ついにしばらくすると私を見ると名前を言っていただけるようになりました


その時はほんとに嬉しく

Aさんの退院まで頑張ろうと意気込んでいましたニコニコ


回復傾向にあったAさん

一時は退院の話も出ました。

しかし・・・

ある時の発熱を機に一気に状態は悪化しました。

ご主人が面会に来ても話もできず

Aさんは意識レベルも低下し

お部屋もナースステーションに近い

いわゆる重症部屋へとうつりました

ご主人はただただ俯きAさんを見守る日々が続きました。


新人の私は

現状に追いつけないのと

今後の予測

がしっかりできていませんでした

日々変わる状態にどうしていいのかわからなかったのだと思います


どう話していいのかわからず

どう接していいのかわからず

ご主人への声かけも

今日したケアなどを伝えたりするくらいでした

ご主人も

そうですかー

と返すものの

前のような笑顔は見られませんでした


ある日私が出勤すると

心電図モニターのアラームが鳴り出しました

それはAさんのモニターでした


その日私はその部屋の担当ではありませんでしたが

一連の流れを見ていました

延命措置も施されましたが

残念ながらAさんは亡くなりました


私は

初めて自分の担当の患者さんの死を目の当たりにし立ちすくむだけだった気がします

先輩に声をかけてもらい

エンゼルケアを一緒に行いました


そしてしばらくして家族が到着しました

そしてご主人が一言


どうしてこうなっちゃったんだろう



私は涙が止まりませんでした

泣いてはいけない

誰に言われたわけではないけど

そう思ってたはずなのに

それでも涙が止まりませんでした


ごめんなさい

それすら言えませんでした


結局その後ご主人とは話せないまま

Aさんとともに帰られていきました


私は自分の不甲斐なさと無力さを実感しました

Aさんとご主人はただただ元気になって退院して

また2人の生活をしたかったんだと思います

そのためのお手伝いをしていたはずなのに

結果的にそれを叶えてあげられないどころか

ご主人の気持ちにも寄り添えず

Aさんが亡くなったことをご主人が受け止めきれていないのは私のせいだと思いました


Aさんとそのご主人のことは

きっと一生忘れない

とその時思いました



実はこの話には

続きがあるんです・・・ 




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