今回の参詣は、葛飾区新小岩の下小松天祖神社へ。

ここはJR「新小岩駅」の南口側、末広商店街を北東方向にひたすら進む。

 

 

 

 

末広商店街入ってすぐに、廃墟マニアの心をくすぐる出で立ちの「スバル飲食店」があって、気になってしょうがないけど、とりあえず神社へ。600メートルほど進むと商店街らしさは消え、そこから普通の住宅街がさらに600メートル続き、ようやく境内入口の赤い柵が見えてきます。

 

 

 

 

下小松天祖神社

当社より北に400メートル上小松天祖神社がありまして、上小松村と下小松村がそれぞれ天祖神社を祀っているようです。たとえば大田区の上神明天祖神社と下神明天祖神社のように村が二つに分かれたことで、神社も分かれたというケースがありますが、当社はとくに分裂した様子は見られない。

 

 

 

 

手水舎

境内左側にある。

立派な造りなんだけど、トタンと鉄板で封されている。

 

 

 

 

狛犬1

右が阿形で鞠を抱え、左が吽形で子抱き。

台座には「昭和五十三年八月吉日 願主汐澤道雄」とある。願主は御由緒にある、神社の造営奉賛会会長。

 

 

 

 

狛犬2

社殿側にある1組は、右が阿形で子抱き、左が吽形で鞠を抱える。

 

 

 

 

御由緒

境内掲示より字体改行などそのまま記載

天祖神社造営

記念碑

神社の由来

当地は往古、伊勢神宮の神領にして、

葛西御厨の一村と稱せらる。

 応永五年の御厨注文に、「小松三十町

三段半 」とあり、新編武蔵風土記稿に、

「下小松ハ家数七十八、五社明神社、村

ノ鎮守トス」と記録されり。

 明治六年一月、太政官布告の、「 府下

諸神社ノ内、漫々、猥雑セル神社稱號有

ルハ甚ダ不都合候間、更ニ、社號改正攝

社共早々可伺事。 」により、稱号を「 天

祖神社 」に改めり。御祭神は、天照大御

神、經津主命、武甕搥命の三柱を鎭祭さ

れていることが、神社明細帳にも記さる。

 明治七年、社格を村社とし、大正四年

七十余戸の氏子により、社殿を造営、昭

和二十二年、宗教法人による登記神社と

なり、昭和二十九年に総武線拡幅工事の

爲、転座、大改修が行われたが、旧社

殿として、百有余年の歳月を經て、老朽

甚しく、神威を畏み、昭和五十一年五月

神社役員一同の発起により、社殿造営奉

賛会を設立、昭和五十二年二月二十二日

遷座祭斎行さる。

 氏子奉賛者八千余世帯の浄財赤誠によ

り、総工費 一億六百五十万円也を費し

完成をみるに至る。

 神慮の垂示と、氏子の敬神観念に依り

結実し、茲に碑をたて、永く、記録を留

める次第なり。

昭和五十三年八月二十五日

天祖神社宮司 亀井悦造

造営奉賛会会長 汐澤道雄

 

 

 

境内

 

日露戦役 出征軍人紀念碑

境内左側にある。

「明治丗七年」、「皇上陛下膺懲露国」、「東洋平和煥発宣戦大詔搆える義戦なり」、「小柗郷出征者拾有六人何勇敢譽髙陣中其偉勲」、「皆名譽凱旋」といった文字が見える。

日露戦争に出征した小松郷の勇敢な16名が全員無事凱旋したことを記しているもの。またこれを記した「佐藤凌雲」は、小松郷の人である以外わからない。

全部旧字体だったので、入力と確認作業が面倒で省きました。

 

 

 

 

力石

軍人紀念碑の足元に、2個ずつ2組ある。

まず左側の二つは、「若●石」、「世ハ人當村若者中 東●」とある。●の部分は遊の異字体である「逰」の偏と旁の左側が入れ替わった字ではないかなと思うけど、まあどうだろう。力石は専ら若者が競って遊ぶ石ではあるけど、あずま遊びというほど地域が限定されているものでもない。

一方右の二つは、両方ともわかりやすく「指石」とある。

 

 

 

 

境内社群

力石の右隣には、五社並んで祀られています。

左から無記名社、水神宮、北野神社、大明神、鹿島神社とあって、4つ目のは大明神しか読めず、考えられるのは稲荷大明神なんだけど、五社明神の旧称と御祭神の天照大御神、經津主命、武甕搥命の三柱を踏まえると香取大明神とも考えられる。でも隣は鹿島神社なので、香取だけ大明神と刻印するこは無さそうでもある。

 

 

 

 

富士塚

境内社群の右側、本社殿に向かって左側にわずかに富士塚が形成され、頂上に浅間神社があります。

7月の第一土曜日に山開きの神事を斎行。

 

 

 

 

上小松天祖神社は、旧称を香取神社といって、祭神がアマテラス、フツヌシ、タケミカヅチを祀っていたといい、当社も祭神は同じでかつては五社明神社であったことから、明治時代に天祖神社に改編する運動が盛んにあったのではないだろうか。

 

 

 

写真はすべて2019.8.4 撮影

 

備考

社号 天祖神社

旧称 五社明神社

創建 文化(1804)以前

祭神 天照皇太神・經津主命・武甕搥命

祭日 元旦初詣 1月1日 歳旦祭 1月11日

    節分祭 2月3日 二月祈年祭 2月11日

    天祖神社五月祈祷祭 5月11日

    浅間神社祭 7月2日

    天祖神社例大祭 8月25日

    天祖神社九月祈祷祭 9月11日

    七五三御祝 11月15日 新穀感謝祭 11月23日

末社 浅間神社 水神宮 北野神社 鹿島神社、他2社

社務所 新小岩香取神社の兼務

所在地 東京都葛飾区新小岩4-40-1

その他