今回の参詣は、江東区森下の深川神明宮(ふかがわしんめいぐう)へ。

 

 

 

 

隅田川の東側、深川とは付くものの地域としては森下や常盤。

ただ「深川」地名発祥の地は、富岡八幡宮などの方ではなくこちら。

 

 

 

 

訪問したのは昨日。

例大祭の真っ最中とあって、参道の神輿庫はすべて開けられ各町のお神輿がずらりと並んでいた。

 

 

 

 

由来

当地の開拓者・深川八郎右衛門が奉斎した神社。当初地名も無かったが、慶長元年(1596)徳川家康が巡視に来た際に、八郎衛門の姓を以て深川と命名された。

当社は昭和28年(1953)の第五十九回式年遷宮の際に鏡・太刀・盾が、第六十一回(1993)には東宝殿の木材が伊勢神宮より譲与されている。

 

 

 

 

 

狛犬

右が阿形で鞠を抱え、左が吽形で子抱き。

吽形の方は、親子で同じ表情をする秀逸さ。

 

 

 

 

 

御由緒

境内掲示より字体改行などそのまま記載

由来記

 今カラ凡ソ四百余年ノ昔深川ノ地ハ、葦ノ茂ル三角洲デ住ム人モ

無カッタ ソノ頃深川八郎右衛門ト云ウ人ガ一族ヲ引連レコノ一帯

ヲ開拓シタ 八郎右衛門ハ敬神ノ念篤ク、崇敬スル伊勢皇大神宮ノ

御分霊ヲ奉齋シテ、開拓民ノ福祉ト当地ノ発展ヲ祈願シタノガ深川

神明宮ノ初メデアル ヤガテ徳川家康公ガ江戸ニ入府、慶長元年当

地ヲ巡視シ八郎右衛門ヲ召シテ地名ヲ尋ネタ 未ダ住ム人モ少ナク

地名モ無キ由答エルト、家康公ハ八郎右衛門ノ姓「深川」ヲ以テ地

名トセヨト命ジタ 深川ノ地名ノ起コリハ、神明宮ノ鎮座スル実ニ

此ノ地ナノデアル

 爾来深川ノ地ハ江戸ノ繁栄ト共ニ発展シ、当宮モ「深川総鎮守神

明宮」 ト称エラレ、多クノ崇敬ヲ集メルコトトナッタ ソノ間ニハ

震災戦火ノ大キナ災禍ガアッタガ 氏子万民ノ赤誠ヲ以テ昭和四十

三年ニ御社殿御造営モ成リ、衆庶ノ崇敬益々旺ンデアル

 今般、郷土和楽万民繁栄ヲ祈念シテ御鎮座四百年祭ヲ齋行スルニ

当タリ、今日ノ繁栄ノ礎ヲ築イタ郷土ノ先人ニ感謝シ、当宮ノ由緒

ヲ茲ニ記ス

平成九年八月吉日

 深川神明宮宮司 内 野 成 浩 謹 撰

 神 宮 禰 宜  藤 井 昭 彦 謹 書

 

 

 

 

末社

和合稲荷神社

境内右側、社務所の前に鎮座。

かつて境内各所に祀られていた十一の祭神を合祀し、以来和合稲荷神社を称されている。御祭神は下記の通り。

 

和合大神 伊邪那岐 伊邪那美 夫婦和合の妙徳により万物修理固成せり

         ※修理固成せ=つくりかためなせ

稲荷大神 宇迦御魂大神   御神徳は五穀豊穣商売繁盛なり

浅間大神 木花開耶姫    霊峰富士の山に鎮まる神なり

厳島大神 市杵島姫神    芸道富有を司る弁天さまなり

疱瘡大神 建速須佐之男神  疱瘡を初め病流行の守護なり

鹿嶋大神 武甕槌神     国土平定の時尚武の守護なり

大国大神 大国主大神    御神徳は健康守護なり

御嶽大神 少名毘古那神   禁厭祈祷 医薬の道をも講ぜらる

金刀比羅大神 大物主神   水に関する守護なり

道祖大神 猿田彦神     道路を司り旅行安全の守護なり

北野大神 菅原道真公命   御神徳は学業成就なり

 平成十九年五月三日

 深川神明宮社務所

 

 

 

 

 

寿老神社

和合稲荷神社の左隣に鎮座。

延命長寿の寿老神を祀り、お正月に開催される深川七福神めぐりでは、御開扉がある。

 

 

 

 

力石

『堅川 五拾五貫目』とある。貫目の下にも何か刻まれているようだけど、土を被っていて読めず。堅川(たてかわ)は墨田区と江東区を東西に流れる川と、その周辺地域を指した。五十五貫目は206.25kg。

 

 

 

 

 

写真はすべて、2019.08.17 撮影

 

備考

社号 深川神明宮 ふかがわしんめいぐう

創建

祭神

祭日 8月17日に近い土日例大祭

    ※3年に一度宮神輿宮出し有(前回2018年)

末社 和合稲荷神社 寿老神社

社務所 御朱印御守授与御祈祷受付有

所在地 東京都江東区森下1-3-17

その他

 

 

例大祭

 

 

当社の例大祭は8月17日に近い土日。

3年に一度「本祭」があり、宮神輿の出輿と町御輿の連合渡御が巡幸します。

 

ちなみに美人画の大家・伊東深水は、当社の門前で生まれたそうで、境内に案内板が設置されていた。きっと写っているこの近辺だろうか。当社のお祭りを見て育ったのかもしれない。

 

 

 

 

 

令和御大典記念

前回は2018年に開催。本来であれば今年は陰祭にあたるものの、令和元年を迎え、天皇陛下御即位を奉祝して例外的に宮神輿の巡幸が行われました。

 

 

 

 

午前11時に宮出し。宮入は正午。

当社から100メートルほど西側の清澄通りへ出て、200メートル北側の「森下駅前」交差点で折り返して再び当社へ還る。おおよそ600メートル、時間にして1時間の巡幸ではあるけど、炎天下の大神輿は辛そう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深川神明宮のお神輿も、富岡八幡宮の深川祭と同様、担ぎ手目がけて放水する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

還輿の際には、鳥居前で「差ーせ!」の掛け声とともに神輿を天に差す。

ひっきりなしに水が撒かれているのだけど、担ぎ手たちの熱気が直に伝わってくる。写真撮ってるだけなのにめちゃくちゃ暑い。

 

 

 

 

無事お開き。

もしかしたら、今年は御大典奉祝で他の神社さんでも特別な宮出しがあったりするのかな。