今回の参詣は、小伝馬町身延別院に鎮座する光明稲荷大明神へ。




先日掲載した新高野山大安楽寺 の西側に隣接する寺院。


身延別院は、当院と世田谷区の瀬田との二ヶ所ある。









御本堂


境内自体は非常に狭く、車二、三台分しか余裕はないが、ガラス越しに見える本堂内はとても素敵。

ちょうど法要やっていた時だったので良く見えた。平時は消灯されていて、ほとんど何も見えない。


大安楽寺が弘法大師像を安置し、当寺は願満日蓮大菩薩を安置する。

わずか50歩程度で、偉大な二人の祖師を参拝できるところがすごい。



日蓮聖人像


当院安置の日蓮大聖人御尊像は、もともと身延山久遠寺の宝蔵にあり、江戸出開帳の折りに度々身延から江戸に奉持された尊像。明治に日蓮宗大教院が東京芝二本榎木(承教寺)に開設された折り、身延山より大教院に遷され、当院開創の折りに大教院より安置されたものだという。




御由緒 境内掲示より字体改行などそのまま記載



木造日蓮聖人坐像


 所在地 中央区日本橋小伝馬町三-二(身延別院)


 この坐像は当初、日蓮宗総本山の身延山久遠寺(山梨県身延町)の

宝蔵に安置されていましたが、明治十六年(一八八三)に身延別院が

創建される際、祖師像として迎えられました。

 ヒノキ材の寄木造りで、像高七十センチメートル、袖張七十六セ

ンチメートル、胡粉地に彩色を施しています。

頭は円頂形をし、瞳は水晶製、右手に笏、左手に経巻を持ち、法衣

は朱彩、牡丹唐草模様の袈裟の上に、同じ模様の横帔をかけていま

す。胎内に、明応六年(一四九七)七月、施主河島盛正との墨書銘

があり、仏師山城発教定蓮が造立し

た、室町後期の日蓮聖人座像です。

 関東大震災や第二次世界大戦の

際にも焼失を免れ、昭和四十七年

(一九七二)四月、都指定有形文化財

に指定されました。製作年代の明確

な日蓮聖人の坐像として、貴重なも

のです。


 平成二十三年六月 中央区教育委員会









光明稲荷大明神


山門入って左手側に鎮座。










狐像


右が宝珠を抱え阿形、左が鍵を抱え吽形。









御由緒などはなく詳細はわからないが、当寺のサイトによれば、伏見稲荷の御分祀を勧請。

所願成就・怨敵退散を祈り、ご縁日は毎月二十二日。










浄行菩薩堂


稲荷社の裏手にある六角堂の中に安置された常行菩薩像。









油かけ大黒天神


本堂左橋桁に鎮座。


「大きなふくろを かたにかけ・・・」の歌い出しの童謡『 大黒様 』というのがあるが、これは肩どころか、頭から“油”をかけながら祈願する、世にも珍しいオイリーな大黒さま。




御由緒 境内掲示より字体改行などそのまま記載


 油かけ大黒天神由来


 そもそも身延別院に安置する油かけ大黒天の由来を尋ぬるに、現代の名優長谷川一夫氏は京都

伏見の出生にしてそこに油かけ町あり、昔油を売る商人道端の石像に間違って油をかけて以来商

売が大繁昌せりと。同しげ夫人は神仏に厚く帰依し、戦後間もなく、偶々この油かけ天神が夢に

出て、帝都に祀り衆人と結縁せしめよとの霊夢を蒙り早速身延別院の住職藤井日静上人(後の身

延山八十六世法主)に相談すると、上人膝を打ちて喜ぶ。

 上人亦幼少の時、藤井家正に火災発生せんとするや大黒天神が槌を以て幼児を撃たんとす。驚

ろいて目覚め裏に逃げて発火地点に至る。火防の大黒天として祀って来たれり 長谷川一夫同し

げ夫人施主となり、油かけ天神を祀る由来なり。

 日蓮大聖人弘安二年の『大黒天神御書』に云く、大黒天神は釈迦如来の後身、上行菩薩の垂迹

(衆生を救うために仮の姿をとって世に出現す)なり。然れば寂光の都を出でて慈雲三千(世界)

をおほい、福徳を恒沙の刹上に満て、慈悲を塵数の世界に布く。然れば無量の寿福円満せざると

いうことなし。故に大黒という。亦大暗夜叉と云ひ、或は闘戦塚間浴油神とも云う。油を以て灰

身を浴して所求を成ずるが故に、凡そ尊高の宝冠を改めて卑下の烏帽子を著し、珂雲の玉体を秘

して塗炭の黒身を現す。右の手には一実中道の槌を捧げ法報応の三身を知らしむ。左の手には円

教の袋を執て肩にかけて万法円備の真諦を顕す。極位の宝座を下りて道祖の草鞋を履いては浴諦

常住の理を知らしむ。如説而修行其福不可限、受持法華名者福不可量、所願不虚亦於現世得其福

報。

  弘安二年四月十日  日蓮 花押

 祭日 甲子の日 殊に年の始めと終りの甲子を大切にして参詣すべし。開運、安産、商売繁昌、

福徳円満ならしむ

  身延別院









油をかけながら願をかける。

大黒さまといえば開運のご利益。そうとあらば、ためらうことなく思いっきり。。


ちょっと不思議な感じ。





大黒天の隣には鰻塚があり、これは日本橋蒲焼商組合が建立した記念碑。(写真なし)

日本橋には老舗・有名な鰻屋が沢山あり、それらが集まり形成されたのが日本橋蒲焼商組合。








写真はすべて2015.3.1撮影


備考

社号 光明稲荷大明神

祭神

創建

祭日 年中行事
    元旦~1月3日新年祈祷会・願満祖師終日御開帳
    2月3日節分会追儺式(豆まき)
    2月16日宗祖御降誕会
    3月彼岸結日春季彼岸会施餓鬼法要
    4月8日花まつり(灌仏会、終日甘茶供養)
    7月16日盂蘭盆会施餓鬼法要
    9月12日宗祖龍口法難会
    9月彼岸結日秋季彼岸会施餓鬼法要
    11月3日宗祖願満日蓮大菩薩御報恩御会式

    毎月の行事
    1日終日祈祷会・願満日蓮大菩薩御開帳
    8、18、28日鬼子母大善神御祭日
    13日(直近の日曜日)宗祖御聖日法要「十三日講」
    19日七面大明神御祭日
    22日光明稲荷大明神御祭日
    甲子(年6回)大黒天祭

末社 油掛大黒天神

寺務所

所在地 中央区日本橋小伝馬町3-2

     小伝馬町身延別院境内