今回の参詣は、文京区南端の小日向地区鎮守の小日向神社(こびなたじんじゃ)へ。




当社は、旧龍興寺と旗本服部権太夫屋敷跡に鎮座。ここ服部坂は、この旗本服部氏に由来する。この坂を更に上ると故中村勘三郎氏の邸宅がある。


地名の小日向は、社号の“こびなた”同様、地元では古くから「こびなた」と呼ばれていた。

現代では、濁音を嫌う向きが強い。「飯倉(いいぐら)」、「江古田(えごだ)」、「大島(おおじま)」、「尾久(おぐ)」、「白金・白銀(しろがね)」、「洲崎(すざき)」、「妻恋(つまごい)」、「深沢(ふかざわ)」などなど。

一方、伝馬町は“てんまちょう”、土支田は“とした(ときた)”。








慈照山日輪寺(小日向1-4-18)に在った「氷川宮」と、今宮神社(音羽1-4-4)が遷座してくる以前に在った「田中八幡宮」が合祀され、龍興寺跡である現在の小日向神社へとなった。


田中八幡宮は貞観三年(860)の創建、氷川宮は天慶三年(940)と云われている。









社務所は住居を兼ねているようで、ふつうに家族ので入りがあった。








手水舎


跳ね馬(?)が彫られている。













こちらの鳥居は立てかけて保存されているだけのよう。

皇紀二千六百年記念で作られたもの。時代は昭和15年(1940)。










狛犬と獅子


向かって右が阿形で鞠を抱え、左が吽形で子を抱く。

角ばって武骨、勇ましい姿。目鼻立ちからして当社のオリジナルか。


土台に「氏子中 平成23年3月11日 東日本大震災」「氏子中 平成24年1月吉日復興祈願」とある。

狛犬自体まだ真新しさがあり、おそらくその時の復興祈願で新調されたのだろう。








御社殿



御由緒 境内掲示より字体改行などそのまま記載


小日向神社

一祭神 建速須佐男命(氷川大神宮)

     譽田別皇命(八幡大神宮)


建速須佐男命ハ人皇六十一代朱雀天皇

天慶三年春常陸大掾平貞盛宿願

成就ノ奉賽トシテ小日向ノ地ニ社ヲ建立シ氷川

神社ト稱シテ明治ニ至ル

譽田別皇命ハ古來音羽町九丁目ニ鎮座シテ

田中八幡宮ト稱セリ明治二年九月當地ニ

合祭ス同四年地名ヲ以テ小日向神社ト改稱

翌五年十一月村社ニ定メラル

  氏子町名

 小日向水道町西江戸川町武島町水道端一二丁目

 小日向臺町一二三丁目茗荷谷町第六天町清水谷町

 三軒町小日向町東古川町西古川町松ヶ枝町
大正十三年十一月













御社殿内







末社


秋葉稲荷神社








内陣の御本殿








写真はすべて2015.8.2撮影


備考 今宮神社を兼務

社号 小日向神社 こびなたじんじゃ

祭神 建速須佐男命 譽田別皇命

創建 天慶三年(940)

祭日 9月12日13日例大祭(2015)

末社 秋葉稲荷神社

社務所 あり

所在地 文京区小日向2-16-6