本日の参詣は、江戸川の上今井香取神社へ。

江戸川区は、新中川、旧江戸川、江戸川の三つの川に挟まれていることもあって、水神宮を

非常によく見かける。そして香取神社も非常に多い。その数9社で、水神と同数。

 

 

 

 

神社の社号に冠した上今井は土地の名。ここは旧下総国葛飾郡上今井村という地域だったから。

ではなぜ、香取神社が多いのかと調べるに、その旧下総国の一宮が香取神宮であり、その

周囲に御分霊が広まったからと見て良さそう。他にも旧下総国だった葛飾区・江東区・墨田区に、

現在も比較的多く分布している。

 

 

 

 

由緒 案内板より 改行などそのまま記載

 

香取神社

 

 旧上今井村の総鎮守で、経津主命を祀り、別

当は地元円照寺でした。永禄七年(一五六四)

の創建といわれています。本地仏として十一面

観音が奉安されています。社殿は昭和四十九年(一

九七四)に再建されました。

■今井の富士塚

 昭和五十八年(一九八三)三月登録

 江戸川区登録有形民俗文化財・民族資料

境内北側に富士塚と富士講の記念碑が建って

います。

 今井の富士塚は、旧上今井村の上今井割菱八

行講によって、昭和五年に築造されました。高

さ約二・五メートルで、頂上に石祠をまつり、

登山道の途中に「浅間神社」と刻んだ碑があり

ます。そのほか、「元祖食行身禄」の碑や烏帽

子岩、力石などを配しています。

 また富士塚のふもとには寛延四年(一七五一)

建立の庚申塔(青面金剛)があります。

平成十四年三月 江戸川区教育委員会

 

 

 

 

  

狛犬

右が阿形で鞠を抱え、左が吽形で子を抱いている。

 

 

 香取神社御造營記念碑 旧字体、改行などそのまま記載

 

本神社は 永禄七年八月十五日の創建なり 当村

 

は小田原役帳に遠山丹波守 石髙十七貫五百文 

葛西今井上下と記しあり 武州葛西領上今井村一

帯の総鎮守として勧請せられたり 社宝に菩薩像

一基あり而して 当時名主榎本半兵衛 田島浅衛

門などにより宮大工当村住人惣三郎が棟梁となり

当時の社殿を御造営せらる

当社殿は明治初期の改築で老朽甚だしきにより

氏子総代建設委員等心を一つにして社殿の御造営

を相計り 敬神の念厚き氏子各位の御賛同に依り

昭和四十七年十二月●を起す 同四十八年一月廿

六日道ヶ島香取神社へ当社の御霊を假遷座す 同

四十九年五月本殿竣工により正遷座を執行す

 昭和四十九年七月二十七日

香取神社宮司

亀井悦造 識

 

●=難読。「`」の下に「丂」と、その下に「一」に見える。

 

 

 

 

境内裏手に回ると境内末社などがたくさん。

こちらは八幡神社

本殿右脇から反時計回りに、八幡神社・富士塚(浅間神社)・

青面金剛明王像・稲荷神社・金刀比羅宮の順に並ぶ。

 

 

 

 

八幡宮の奥に見えるのは富士塚

6月から7月に都内の各地で開かれる富士塚の山開き。有名なのは、新宿水稲荷、湊鉄砲洲稲荷、千駄ヶ谷八幡、下谷小野照崎、品川神社など。

荒廃や消失した富士塚もあるらしいものの、現在でも50ヶ所ほど残っている。

 

 

 

 

江戸時代には、富士山信仰が流行。その信奉者、崇敬者を富士講といい、その数は江戸八百八町講中八万人といわれた。

講とは、講社のことで、目的を同じにして集う結社。ほかにも稲荷講、天神講、えびす講、

大師講、観音講、庚申講など様々あった。現地へ直接参拝できない者たちの代わりに

代表して詣でる「代参」も行われた。

 

 

 

 

その中でも富士塚は、富士登山できない者たちのために模して造られた或いは実際の

富士の溶岩を運ばせて造った山。江戸を中心に関東一円に多い。富士山の山開きに

合わせて開かれるこの富士塚を登り、富士登山をしたのと同じ御利益を願った。

 

実際に山に登って見渡した景色。高さは2mもない。

360°中、3分の2が境内と隣接したアパートが占め、見えるのは平凡な住宅街。

 

 

 

 

青面金剛像=庚申さま

奉祀されたのは、寛延四辛未暦正月吉日とある。

1751年かのとひつじ

(暦の字は、正確には「广」の下に「秝」と「日」)

 

 

 

 

続いて稲荷神社。 

苔生した狐像がたまらなくいい味わい。右は左手から下は無いが、左は鍵を抱える。

キツネの持ち物はだいたい、右の像は鞠・宝珠、左は鍵・子抱の組み合わせが多い。

持ちものについての意味は、また別の機会に・・。

そして、これも江戸川区に祀られてる神社にみられる、縦長で石製の社。

敷地の広狭にかかわらず、水神宮・第六天・稲荷神社らがこれにほぼ似た形。

 

 

 

 

金刀比羅宮

水神宮や香取神社とは逆に、下町や城東エリア、江戸川区周辺には数が少ない。

 

 

 

写真はすべて2014.6.29撮影。

 

社号 上今井香取神社 かみいまいかとりじんじゃ

祭神 経津主命 ふつぬしのみこと

創建 永禄七(1564)年八月十五日

祭日

末社 八幡神社 富士塚(浅間神社) 稲荷神社 金刀比羅宮

社務所 

所在地 東京都江戸川区江戸川3-44-8

 

※当ブログに掲載の記事は、散歩としての見所やおススメポイントとして、
私が感じた主観的な感想であり、当該社寺の格式や宗教的価値、ご利益等を評価したものではありません。