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午後電話が鳴った。

『寺中町のNです』

エッ?

誰だっただろうか・・・・。

『お店行ったらお休みで・・・・』

私の叔母の同級生の方が近くに住んでいて、その方から私の家の電話番号を聞いたようだ。


強い気持ちが感じられた。

前回作った小麦酵母の練り込み冬イチゴカンパーニュがとても好評だったので、もう一度作って欲しいとのことだった。

出来れば店で販売している人参ブレッドのようにしてもらいたいという旨である。

息子さんの所へ送ってあげたいようだ。

心のこもった素材や気持をパンにすることで喜んでもらえれば、とても良いことだし私の店やパンが人の心の片隅にでも何らかのカタチで残ってもらえれば少しは人の役に立ったことになるのではないだろうか。


Nさんの家へ冬イチゴを取りに行く。

通常のゴミ袋に1袋あった。

チョと驚いた。

勿論、葉や茎も付いていての状態だが、かなりの量だし採るのもさぞかし大変だったのではなかろうか。


翌日パン作りの合い間にちまちまと実を取った。

半日経った。

正味500gあった。

これだけあると圧巻で赤いキャビアのようにも見える。

さて、どうしようか・・・・。


Nさんの分は150gでいいし残りは何にすればよいのか?

200gは酵母パンに練り込むことにする。

そして残りの150gはジャムにした。

砂糖の量は50%として75g入れて中火以下でコトコト煮詰めた。

ジャム作りのポイントは少し黒ずむくらいまで煮詰めることと、あまりグツグツするほど熱くしないように熱することではないかと素人ながら感じている。


酵母に魅せられたパン屋-冬イチゴジャム1


出来上がったジャムをデニッシュに付けて食べた。

相当、美味である。

着色をしていない自然の強烈な赤であり、甘味と酸味のバランスは最高でブツブツ感もいい。

今まで作ったジャムの中で№1間違いなし。


酵母に魅せられたパン屋-冬イチゴジャム2


食べながらフッと思ったのだがジャムを温めて食べるのもいい。

チーズフォンデュではなくてジャムフォンデュもかなりイイ線だと思う。


Nさん夫婦が、お揃いでパンを取りに来られた。

『無理言ってゴメンね』

と。

出来ることを精一杯やること。

新しいことに挑戦することが自分の土台を強くしてくれる。

ひとつのヒントを得ることが出来た。

冬イチゴのお蔭で・・・・。




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